アンのように生きる・・・(老育)

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かけがえのない日本の片隅からの発信をライフワークとして、今は老いていくにも楽しい時間を作り出すことを考えています。

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2008年 08月 11日 ( 1 )

ディワリのあと

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ネパールの山間でポーズを取る男にほんブログ村 小説ブログ 現代小説へ


第193話

ディワリの祭を日本人同士で愉しんだ夜は更けて深夜に皆車で

自宅までもどっていった。

美沙は神田夫妻と共に四人で一台の車に乗り込み

運転手にゆっくり街を走るように頼んで、ディワリの蝋燭の火でかたどられた
家並みを 『これが最後』 という気持ちで見つめていた。

ホテルの前を通ると、それは見事な装飾的な光の交差が反射して

妖しげな雰囲気を醸しているものもあった。

そして爆竹の音は間断なく鳴り響き、空気は火薬の臭いが強くしていた。

その夜のパーティは皆愉しく良い、賑やかに過ごした。

美沙の夫翔一郎は2日後にネパールに向かう。

美沙も久々に疲労したが、ネパールへ向かう夫をいつもより深く気遣っていた。

翌日は日曜日で二人は家でゆったりと過ごし、街は人々によって昨日の騒ぎの痕を

片付けられていた。

サーバントのシャンティは休日であるのに、夫に手伝わせて美沙の住む部屋の周りに

並べてくれた、素焼きのローソク立てをすっかり片付けていた。

祭は終わり、11月を迎えたデリーは、スト~~~ンと気温を下げた。

人間の思考が正しくなる適温は摂氏25度以下か・・と美沙は勝手に考えて
一人笑った。

その日片山美沙の夫妻はふたり仲良く夕食を近くのインディアン中華レストランですませ、静かな時間をもった。

翌日は翔一郎が単身ネパールへ。

しかしその朝、美沙は珍しく発熱した。

気だるい身体は確実に風邪を引き込んだような気配があり、不安はあったが

夫には告げなかった。

幸い翔一郎の方は元気そうであった。

念のため風邪薬を持たせて、シャイティと朝食を作り、いつもより神経を使って
素手を使わず簡易のおにぎり器で弁当用の握り飯を5個作った。

きれいに海苔を巻き、ほうじ茶を携帯用の魔法瓶にいれて持たせた。

車が学校から回され空港までは送ってくれるというので、美沙は玄関まで送り、
あとは2階の窓からその車に手をふった。

その後、シャンティに家事を任せて倒れこむようにベッドに入った。

37度8分ほどの熱が出ていた。

ほどなく寝入り、美沙は夢を見始めていた。

                                              つづく


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by akageno-ann | 2008-08-11 17:11 | 小説 | Trackback | Comments(15)