アンのように生きる・・・(老育)

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かけがえのない日本の片隅からの発信をライフワークとして、今は老いていくにも楽しい時間を作り出すことを考えています。

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2008年 08月 23日 ( 1 )

掛け違える釦

日本の関東の夏はあっという間に終わりを告げるのでしょうか?

朝方はもう肌がけを胸まで引き上げるような涼しさを感じました。


小説を書いています。
夏の長い暑いデリーで駐在する日本人の生活を描いています。
人物はフィクションですが、インドやその周辺の生活は風物詩として
描いています。

たくさんの世界中で頑張っている日本人への敬愛をこめて
また世界の素晴らしさと そこから見直す日本の良さについても
描いています。
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筆者ちょっと高知へ帰ってきます。

高知はこの小説のもう一人のヒロイン北川怜子が子宮癌の闘病をしながら
間もなく日本に帰国する美沙に会えるのを楽しみに待っています。

北川怜子と美沙にまた焦点を充てながら・・・夫婦や友情、そして様々な愛情に
ついてもう少しお付き合いをいただきます。

今日から自動更新を試みます・・写真など愉しんでいただけましたら嬉しいです。

第198話

片山美沙は夫翔一郎をネパールに送ってからベッドに横たわって発熱した体に
不安を感じている。

まさか妊娠ではないと思いながらも、もしそうならば今度こそはしっかりと育てたいという
思いもあるのだ。

シャンティがベッドルームをノックした。

「マダム、ジャパニーズスクールマダム、カム」

なんとも日本語的な英語に呆れながらも

誰だろう・・と・・・重い体を引きあげて部屋着のまま玄関にいる来客を迎えた・・

よう子だった。

久しぶりの訪問だ。

「まあ、美沙さん如何?」

「よう子さん、どうして?」

「いえ、お一人で、どうしていらっしゃるかと思って今娘をキンダーガーデンに送ったので
寄ってみたの。」

美沙はこの訪問者が自分への大きな好奇心できているのはわかっていたが、
気も紛れることだと思い、歓迎してシャンティにお茶をたのんだ。

よう子は日本の有名な栗落雁を土産に持ってきた。

「ゴメンナサイネ、こんな格好で。なんだか熱っぽくて・・
風邪ではないと思うのだけど・・移したらいけないから少し
離れて座るわね。」

そう美沙はよう子を今に通した。

「お疲れが出たの?片山先生は元気でネパールにいらしてるんでしょう?」

「ええ、大丈夫だと思うわ。」

「デリー3年目にしてこの夏の終わりに疲れが出たのだと思うの。
ここまで大きな病気もせずにほっとしたのかもしれないわ。」

よう子も大きくうなづき

「そうね、うちもお陰さまで子供も私たちも元気に過ごせてよかった。
山下さんの家ではデング熱もなさったりお子さんが骨折したり大変だったものね。」

山下家は同期に赴任した教員一家である。

三組の中では夫人の文子が一番大人しく静かに暮らしていたが、この夏の間に
かかったデング熱という蚊が媒体となって高熱を発する病にかかって少々大変な
思いをしていた。

幸い子供たちに移ることもなく過ぎたので皆ほっとしたが、高熱のあとの文子の
窶れは大きかった。

彼女には元気な男の子が二人いて、赴任当初に家の大理石の床で転んで
下の男の子が骨折をするという不幸もあった。

「もう今さらデング熱の季節でもないのだけど・・疲れかしらね・・」

よう子も少し不安そうになってきた。

「美沙さん、私たちここでの暮らしはお互いにいろいろな変化があって大変だったけれど
最後はまた仲良く一緒に帰国しましょうよ。」

病を得て美沙のだるい体にはその言葉は優しく聞こえた。

「ありがとう・・ご心配かけます。最後まで愉しまなくてはね。」

「片山先生、寂しそうよ。美沙さん、少し日本人会で活躍しすぎじゃない?」

「とんでもない。 常に主人と一緒よ。」

「でも、あなたの音楽活動はどうしても目立つと思うの。
それに先日帰られた深井さんとはどういうおつきあいだったの?」

来た来た、彼女の詮索はここにあった。

「一緒に旅行したのはとても軽率でしたね。
あのとき主人が調子を崩して私と深井さんたちがアジャンタの秘境を
旅したからでしょう?」

「いえ、ただ先生があの頃から元気がなくなったように思ったの。」

「そうなのかなあ?夫婦としてそうねえ・・私たち何か心が離れているのかしら?」

美沙はそこで正直な思いを吐露してしまった。

                                             つづく

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ネパールの絵葉書から・・老夫婦

あらすじです。
by akageno-ann | 2008-08-23 12:39 | 小説 | Trackback | Comments(9)