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アンのように生きる・・・(老育)

小説を描かせていただいてますが・・夏休みの終わりに
駆け込みの課題制作に励みます。

人生に期限というものがないと、私の場合・・野放図になってしまうので、心の中で課題や締め切りを考えます。
夏は8月いっぱい家族が皆夏休み体制になって、時間が不規則になるので、少ない人数でも食事がばらばらになったり、予定がいつもより立てにくくなっていました。

課題をいくつかたてていまして、夏休みの宿題らしく、ぎりぎりでいろいろやってます・・

ミンミン師匠にお習いした ケーキ仕立てのクリームチーズサラダ・・は・・ケーキ仕立てこそまだまだながら・・お味はよくて・・お客様に喜んでいただきました。

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足置きの和風スツールの生地を変えました。
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夏休みの私の外出イベントの最後は久々横浜元町です!
こちらの方面へ越されていらしたこちらのお二人を囲んで・・なんて私が発案だけして・・
全てまりまりさんにアレンジしていただいてしまい、恐縮・・

前からこの仲間たちと行きたい・・と思っていた、元町梅林・・食欲旺盛な気持ちが必要なのですが一度は楽しいお店です・・
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先ずはこの情景・・食べることの準備に勤しむ私たちを他所に・・tutoさんのカメラの準備のご様子です・・
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平面的にただ撮る私がtutoさんの写真撮影の様子を拝見して・・ちょっと学んだ撮り方は↓
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岡山のなすの冷し煮です。色艶がこのままです・・初めての味!美味・・
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じゅんさいのちりばめられた、冷たい茶碗蒸しといったところ・・

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ここは通算6回足を運んだ私ですが、最後は20年前なんです・・
その度にこうして箸袋に書いては・・持ち帰ります・・
メニューが同じものも会って、懐かしい・・
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こちらの名物・・朝つきたての餅の揚げ出し・・これは家庭ではなかなかでない味です。
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秋の温野菜・・まだ秋は遠いというこの気候の中ですが・・目は秋を追ってます。
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可愛いお嬢さんのみずりんにきゅうりをもってもらいました・・こちらお子様料金がちゃんと設定されていて親切と思います。みずりんもこのきゅうり・・ぽりぽり美味しそうに食べていました。
お芋は金沢のものらしいと・・franちゃんが詳しいです。
そしてドカンとはじめのほうに出される・・スペアリブを「アンさん。どうする?」とふられて・・
「いただきましょう」とキッパリ言ってしまいましたが・・これはずっしりきました・・
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でもこれはここで暖かいうちがいいわね・・と franさんが救ってくれます・・・emoticon-0109-kiss.gif
くまくぅちゃんも一生懸命駆けつけてくださって・・そしてこの料理に挑戦してくださってます!
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写真も一緒に工夫して・・と 途中でSDカードも買っていらしたとのこと
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みずりんが今日一番美味しいと言ってくれた 和風の干しいたけの出汁が効いてるグラタン・・
そろそろ苦しい・・
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このスイーツがでたところで・・さすがにここも品数少なくなったかも・・と私も認めたのですが・・
実はまだここから・・出るのです・・ほぼ持ち帰ることができるので・・親切です・・
我が家のお留守番部隊の夕食に即なりましたemoticon-0115-inlove.gif

しかしこちらに以前うかがってから20年の歳月を感じたのは・・この方
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大女将さん、お手製の味噌をお土産を持って一部屋ずつご挨拶されます。
お写真も掲載大丈夫・とのことで・・感動させていただきました。

皆さん確かに素晴らしい年輪を重ねて・・このお店は益々人気に・・以前より少し高めになりましたが、
お店の心意気そのまま継承されてます。

大女将の特製いなりずしは赤酒で煮るというこの色合い・・胡麻も入っていて香ばしい・・
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全てのお料理を私たちの要望に応えてくださってるtutoさんのブログへ是非→☆
すみません・・またリンクに頼ってますemoticon-0100-smile.gif・・

こういう美味しいものをいただいて・・この夏の最後の二週間は義父の病院検診・・に
通院の日々ですが・・義父も元気に夏を乗り越えてくれてますので・・ご安心を・・

そしてわたしもこうして気分転換して・・楽しんでますので・・益々ご安心を・・emoticon-0166-cake.gif
by akageno-ann | 2010-08-31 00:32 | 番外編 | Comments(12)

暑気払い!

小説を書いていますが、ひと段落しまして、エッセーを書かせていただきます。

今年の夏の暑さは日本中大変でしたね。

前作「アンのように生きるインドにて」の、私のかつて三年住んでいたインドのニューデリーの暑さをこれほど思い出した夏もありません。

日本の関東の暑さは朝夕の涼しさが昼間の暑さを静かに収めてくれていましたから、夜の寝苦しさも数えるほどで、夏は夏で好きな季節の一つでした。

しかもこういう暑さは避暑に行く場所もあったり楽しいバカンスがありますよね。

けれども今年の夏はどうしたことでしょう・・

ニューデリーで感じた 本当にこの暑さはいつ終わるのだろうか?という不安を思います。

夜が涼しくないのは、日中のエアコンからの外気に寄るものかもしれません。

それほど珍しくエアコンを使いました。

しかし、こういうときは暑気払いで人々と集い、楽しい会話で気持ちを涼やかにすることがいいですね。

先日私の敬愛するミンミン亭にお招きいただいて、素敵なパーティに参加できました。
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美味しい食材ももちろんですが、涼やかな食器たちが夏の食卓を彩ります。
これだけでブルーの好きな私に涼感が蘇りました。

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外国産の珍しいお花・・これもバリのイメージでしょうか?
暑さを楽しめますね。

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真珠かと思える タピオカもいろいろに演出に参加しています。

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食事のあとに、時間のある私たちにプチ紅茶講座・・なんと魅力的なアルコール入り紅茶レッスン・・
紅茶を更に一味大人の楽しみに変えていただきました。

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こんな風に氷にあててシャンパンを注ぐ瞬間の楽しさ・・それは講座ならではの醍醐味

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そしてミントとローズマリーティとでこのイタリアンカラーに変化する瞬間の感動!
お味がすごくいいのです・・長い時間おいてもこのセパレートは保たれていますしね・・

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同席させていただいた、reikopepさんのブログに素晴らしいご紹介があるので・・是非
こちらへ→☆ 
by akageno-ann | 2010-08-25 21:14 | エッセ- | Trackback | Comments(18)

ゆるく暮らす その7

小説を書いています。
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「かけがえのない日本の片隅から」 part2
第2章 ゆるく暮らす その7

ペキニーズのギニーちゃんは少し神経質な性質を持っていたからまわりの人たちは柳さんが倒れたその日から心配していたが、気配で一番の飼い主である柳さんが居ないことを察知したのか、静かにしているということだった。

倒れたのが散歩中で犬仲間の人もいたので、しばらく誰かが預かるということは全く問題がなかった。

「ただ、あまり長く預かっていると、本当のご親族がそのまま犬はお願いします、ということにもなりかねないので、すぐに今回の預かり場所をお知らせして、ご葬儀が終わったらお引取りをお願いします、と伝えました。」

そう柴犬のレイちゃんのお母さんは話していた。

この地域はよく皆で冗談だが、動物愛護協会に誉められてもいいほど皆迷い犬を保護していた。

ギニーちゃんは迷い犬でなく、ここでははじめての飼い主を突然亡くした遺児のようだった。
高齢者の柳さんは80歳で足も少し弱っていらしたが、散歩するということが随分と彼女の健康を助けていたのだと思う。

聞くところに寄ると10年前に肺癌を患われていたが、ご自身で食事も全て管理していたせいか、手術し患部を取ったあとは玄米菜食を中心にして健康を維持する努力をされていた。

それでも病気の再発を恐れてはいらしたが、今回は医師も暑さ厳しい夏を過ごされたから、とはいえ、立派な天寿ですよ、と言ったそうだ。

天寿を全うするという死に方は本当に羨ましい、と葬儀の日に静かに人々が語っていた。

ギニーちゃんは結局、柳さんの二軒お隣の家で預かられていた。
そちらのおうちも数年前まで犬を飼っていて、その犬が亡くなったあとは老夫婦が時折ギニーちゃんを預かったりしたことがあったようで、柳さんの訃報を聞いてすぐに申し出てくれたそうだった。

柳さんのお嬢さんもそのことにとても感謝をして、また柳さんがこの住宅地でたくさんの隣人知人と犬を通して繋がり、支えられていたことを知っていらしたようで、葬儀の日はギニーちゃんを葬祭会館の出口に一緒に抱いて、会葬者に挨拶をしていらした。

そのことがまた一層涙を誘った。
ギニーちゃんはきっと雰囲気でわかったのだろう、静かに神妙な雰囲気でお嬢さんのお子さん、つまり柳さんのお孫さんに抱かれていたので、皆それを見て安心した。

お孫さんは大学生のようで、身長もあり爽やかな青年だった。
ギニーちゃんも懐いていたのだろう、不安そうな様子はなかった。

これがもしかして何よりの柳さんの遺産だとも、皆感じていた。

柳さんは買い物もカートを引いて下のスーパーマーケットまで週に2日ほど歩いて通っていた。

たまたま近所の人がマーケットで声をかければ、

「いいんですか?すみませんね」と遠慮しながら車に乗せてもらうことはあったけれど、
自分の健康のためだから、と行きは30分 帰りは少し坂を上るので40分かけて歩いていたようだった。

週に三回は支援センターのほうから短時間の掃除の手伝いが来ていたが、たくさんあるガラス窓を綺麗に磨いていたのは柳さんだった。

そういうことが億劫でなかったのだ。

「長く寝付くこともなく、立派な人生をお過ごしでしたね。」

と、また散歩をしながら石元さんやレイちゃんのお母さん、根本さんたちは話し、柳さんを偲んでいた。

                                      第2章 ゆるく暮らす 了

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今回もまた ak-joyfulさんの作品を拝借しています。 ピップちゃんです。

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by akageno-ann | 2010-08-19 23:29 | 小説 | Trackback | Comments(9)

ゆるく暮らす その6

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「かけがえのない日本の片隅から」 part2
第2章 ゆるく暮らす その6

ハナは散歩が好きだが、年をとってからすぐ息切れするようになった。
石元夫人は そんなハナを気遣って、ゆっくり休み休み歩いていた。

公園あたりでのんびりしていると、たいてい知り合いの犬連れの人と出会った。

その日は隣の住宅地の柴犬の女の子レイちゃんが来た。

レイちゃんはとてもきれいな犬で、連れているおかあさんもすごく綺麗な人だ。
そしてとても優しい人だった。

挨拶のあとに、レイちゃんのおかあさんはちょっと寂しそうな顔をして

「ハナちゃんのおかあさん、ご存知ですか?昨日お散歩途中の柳さんが急に心臓が悪くなったようで倒れられ、偶然居合わせた私たちで救急車を呼んだのですが、今朝方お亡くなりになられて・・・」

というのだ。

「え?柳さんたしかお一人住まいですよね。お子さんたちは間に合われたの?」
と石元夫人は聞き返した。

「ええ、幸い携帯電話をお持ちで、そこからすぐにお嬢さんに連絡できたので、間に合いました。
しっかりしたお嬢さんで私たちにとても感謝してくださって。お母様と一緒に住みたかったようですが、この土地でもう少し犬と一緒に暮らしたい、とおっしゃってたそうですね。」

それを聞いて、石元夫人はうなづいた。

「そうでしたね、もう80歳でいらしたけれど、ペキニーズのギニーちゃんとほんと元気な足取りで歩いていらして、この土地が好きでいらしたのよね。そうでしたか・・苦しまれたの?」

レイちゃんのおかあさんは

「それが最初に胸を押さえて倒れこんだのだけれど、じきに昏睡状態になって、そのまま目覚めることはなくて・・そのことは残念なのだけれど、あまりくるしまれなかったようですよ。」

と、様子を知らせた。
ふたりは、そういう最後は天寿全うされた、ということですね、と故人を偲び、また故人を慰めたのだった。

犬との暮らしのためにこの地に長く一人になっても過しているお年よりは年々増えている。

住宅事情が都心とはあまりに異なる環境であるが、この地を愛する人が増えたのは嬉しいことだった。

二人の話からハナはペキニーズのギニーちゃんのことが気になった。

小さな体で元気いっぱい動いて、ハナが近づくと嬉しくてぐるぐるまわるので お年寄りの柳さんを困らせるので、ハナのお母さんはいつも近づかないようにしていたのだった。

レイちゃんとハナはギニーちゃんのお母さんの柳さんの冥福と ギニーちゃんのことを思った。

                                               つづく
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『いっちゃんの美味しい食卓』のアイドル・スター君の写真を拝借しました!スター君の小さいころと出会えます。

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by akageno-ann | 2010-08-17 00:19 | 小説 | Trackback | Comments(7)

ゆるく暮らす その5

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「かけがえのない日本の片隅から」 part2
第2章 ゆるく暮らす その5

住宅街の朝は、散歩の人々の足音で始まる。

皆比較的規則正しい歩調でせっせと歩くことを日課としている人が増えている。

友人同士、夫妻の二人連れが目立つが ひとりで黙々と走ったり歩いたりの人々も多い。

そして一番多いように思われるのが、やはり犬との散歩だ。

長く犬のいたお宅で、犬を見送ったあとに飼うのをやめる人たちも出てきたが、めっきり歩かなくなってしまった と 本当はまた、犬を飼いたい気持ちを話される人もいる。

しかしやはり一人住まいや高齢のご夫妻のお宅では、犬の散歩の大変さや、何より犬が自分たちに取り残されることになることを一番心配するのである。

そんなところにも心の優しさを教えられることがある。

ハナの飼い主 石元さんの友人はサンタという12月25日生まれの可愛いシェルティを長く飼っていらした。
が、サンタが寿命と言われる14歳で亡くなったあとに、

『家の中にあったサンタの形の空気がそのままあって辛い』

と聞いたことがあった。

石元さんは根本さんにハナを紹介されて、犬を飼うかどうか 悩んだときに、その言葉を思い出して、ためらう気持ちも強く動いていた。

しかし思い切ってサンタの飼い主だったその友人に相談すると、

「もし、今そのワンちゃんを見て、飼ってみたいという衝動が強かったのなら、是非考えてほしい。きっとその犬は貴方に出会う運命だと思うから。」

と、さらりと言われた。

犬との出会いにも運命というのはあるのだろうか?と思ったが、石元夫人にはとても素直に受け取れた。

初めて犬を飼うという出来事はこのような衝動がなければ、なかなか決心はつかないものだ。

石元夫人はこの地域に越してきたときに比較的犬を飼っている人が多い場所だとすぐに感じた。

子どもたちも友人を通して、雑種の子犬を飼うように薦められたりもしていたが、まだ不慣れなこの場所で犬を飼うことに振り回されては、と懸念して押し留めていたのだった。

だが、ハナとの出会いによってここで成長して少し親離れが感じられる子どもたちとの距離を少し縮められるかもしれない、と直感したのだった。

                                      つづく
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『いっちゃんの美味しい食卓』のアイドルスター君の写真を拝借しました!スター君とイギリス郊外のお散歩が楽しめます。

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by akageno-ann | 2010-08-12 01:58 | 小説 | Trackback | Comments(4)

ゆるく暮らす

犬と共に歩みながら小説を書いています。
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「かけがえのない日本の片隅から」 
part2 第2章 ゆるく暮らす その4

キタロウとハナは散歩仲間で、飼い主同士は自治会の役員同士で知り合っていた。

以来犬の散歩で出会えば気楽に立ち話をするのだが、犬同士も飼い主同士が親しい雰囲気だと慣れるのも早く、また雄と雌の違いがあるせいか仲も良かった。

毎日のように出会うのだから、そうそう込み入った話もないのだが、たとえ天気や犬の健康状態の話だけでも、すれ違い、会話するというのは大事なことだと思われる。

この地域の高齢化は順調に進んでいて、比較的のんびり生活できるせいか、お元気なお年寄りが多い場所だ。長い年月の中ではいろいろなことが起こっていただろうが、こうして過ぎてみると皆穏やかな日々が訪れるのではないか・・と安堵するような毎日がある。

かつては隣同士犬の吠え声と猫の繁殖のことで揉めていた二軒の奥さんたちは、二人ともご主人を相次いで亡くされてから、どちらともなく二人で寄り添うようになっていた。

猫は相変わらずたくさんいるが、皆きちんと手術もされて夜は家の中に入るようになっていたし、犬も年老いて亡くなり、その後は奥さん一人たまに子どもたちと孫が訪れるという少し寂しい生活になっていた。

だが不思議なことに二人とも心穏やかで、角突き合わせていたことがあった過去は本当にずっと過去の記憶に押し込められていた。

ハナとキタロウもこの家の前を時折通り、その度に、

「可愛い犬だね~~」と声をかけられ、その前に広がる丹精された畑を今度は

「よくお世話されてますねえ」 などと ハナと一緒の石元夫人は言葉を残していた。

ただ歩いているだけでも、不思議にその人のその日の機嫌の様子はわかるようで、明るい会話ができた散歩は皆が幸せだった。

『キタロウちゃん、今日も少し長く歩いて疲れたわね』

と、ハナが言えば、

『もう少しコンスタントに歩いて欲しいけど、話したり寄ったりいろいろなペースだから疲れるね』

と、キタロウが答えていた。

こんな日々がずっと続けば本当にここは楽園のはずなのだが・・・
                                              つづく

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布絵による作品は「sparkyな毎日」から拝借しています。

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by akageno-ann | 2010-08-10 14:02 | 小説 | Trackback | Comments(8)

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かけがえのない日本の片隅から part2
第2章 ゆるく暮らす その3

スコッチテリアのキタロウの記憶によれば、中川家には二人の娘がいた。
三つ違いのその姉妹はキタロウの目にはあまり仲の良いほうではなかった。

今でこそご主人の中川さんとのんびり歩いているが、キタロウが幼い頃の散歩の係りは奥さんだった。

それもいつも何か考え込むような寂しい気持ちで一緒に歩いていたのだった。

その頃 中川さんはまだ現役で仕事をしていて、それもかなり重要なポストにいたから家に帰ってくるのは遅いし家の中には長女のMちゃんと奥さんが二人でいたのだが、寄ると触ると口げんかをしていたのだ。

次女のAちゃんは旅行会社に勤めていて、添乗員をやっていたから殆ど家にいなくて、どうやら彼氏もできてるんるんな人生を送っているようだった。

Mちゃんは真面目な人で幼稚園の先生をしていたのだけれど、子どものことで悩みぬいて、3年目に急に辞めてしまったのだそうだ。

それ以来、Mちゃんは家に引きこもり、食事も一緒にしないのでやせ細って行って、奥さんはものすごく心配していた。

中川さんが遅く帰宅すると、奥さんは待ち受けていて、Mちゃんの様子を相談するけれど、いつもすぐに奥さんは声を殺して泣いていたようだった。

そういう中にキタロウはこの家にもらわれてきたのだ。

キタロウはご近所の人の紹介で、丁度生まれて4ヶ月目のまだ小さくてぬいぐるみのようなときに・・今だって充分可愛いけど・・もっと可愛くてむぎゅっと抱かれてしまいそうな頃に、この雰囲気の暗い家にポツンと輝く星のような存在だったと思われた。

家族の心がバラバラになっているようなそのときに、子犬のキタロウを育てること、躾けることに奥さんは気持ちを傾けていた。

ある晩のこと、中川さんが帰宅して間もなく、それとすれ違うようにMちゃんが外出しようとしたとき、中川さんはMちゃんの腕を掴んでそれを止めようとしたのだ。

Mちゃんは恐らく渾身の力を込めてふり払ったのだ。

それから大きな声で3人の大人が怒鳴りあった。

「お母さんもお父さんもAちゃんのことは何でも大目に見て許して、私のことはずっと厳しくがんじがらめのように育てたから、こんなに臆病で自信が持てない大人になっちゃったのよ・・」

それは久しぶりに聞いたMちゃんの声だった。
キタロウは怖くて仕方なかったけれど、そのとき震えてMちゃんの足に寄り添って、そしてその足を舐めたのだ。

その震える姿を見て、ご主人と奥さんは声を細め、Mちゃんはキタロウを抱きしめて泣いていた。

その夜はたったそれだけのことしかキタロウにはわからなかったが、ただ翌日からキタロウの散歩はMちゃんになった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・☆☆☆☆         ☆☆☆☆・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

中川さんはその頃のことを決して忘れることはなかった。

犬を飼うなど長いことしたことのなかった彼は、そのときに、自分も子供のころ実家に飼っていた雑種のチー子という犬に随分癒されていたことを思い出したのだった。

子どものことをじっくり考えることもせず、ただ仕事に没頭することが自分の人生と考えていたようで、改めて反省もした。
第二の就職先も決まりそうになっていたが、定年後はボランティアなどして、なるべく自分が選んで家を建てたこの地で 夫婦、子どもと向き合ってゆるく暮らそうと考えたのだった。

それからMちゃんは非常勤で保育園に勤め、そこで知り合った保育園の出入りの電気工事の若者と恋愛し結婚した。

Mちゃんはキタロウを連れてお嫁に行きたかったが、両親が手放さなかった。

「いろんなことがあったけど、貴方がここで自分の幸せを見つけてくれて本当に嬉しい。でも貴方がいなくなるのも寂しいのに、キタロウまでいなくなったら、多分病気になってしまうかもしれない・・貴方もキタロウを見にちょくちょく顔を出してちょうだい」
と 中川さんの奥さんは嫁いでいく娘に語ったのだ。

中川さんはいつも楽しく飄々として住宅地をキタロウと散歩しているけれど、キタロウと過してきた日々を大事にしつつ、家族のこともちゃんと、考えているのだと、年をとったキタロウもわかっていたようだ。

                                                         つづく
    
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写真は読者からの友情出演です!
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by akageno-ann | 2010-08-08 23:43 | 小説 | Trackback | Comments(2)

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かけがえのない日本の片隅から part2
第2章 ゆるく暮らす その2

暑い日差しがまだまだ続く中を今日も中川さんと愛犬キタロウが住宅地を散歩している。

午後4時という時間はアスファルトの地温も下がらず犬の足にも可愛そうだと、殆どの散歩仲間は出ていないが、キタロウは散歩が大好きで中川さんを急かすようにして飛び出して歩く。
もちろんスコッチテリアは小型の犬だからそんなにたくさんは歩かない、日陰を辿って歩いては知人宅の庭で一休みしたり、公園の東屋の椅子に座ったりのゆったり散歩だ。

そこには必ず中川さんかキタロウの仲間がいる。

中川さんは明るい笑顔で穏やかに人々と会話する。自治会の会長だから無理難題を持ち込まれることもあるのだが、先ずはあまり構えることなく話を聞く。

傍らでキタロウが大人しく寄り添っているので、犬にそれほど興味のない人も一応「かわいいですね」などキタロウに声をかける。

中川さんは悪戯っ子のようにどんな人にもキタロウを静かに近づけてみている。

一度タロウの飼い主根本さんに冷やかされたことがある。

「そんな子どもみたいなことなさって、犬が苦手な方は困ってしまいますよ。」と・・

そんなとき中川さんはにこやかに笑いながら応える。

「いやいや、犬のいる生活はいいですよ。犬と仲よくできると人生が広がりますよ。」

と、自画自賛している。

しかし本当に中川さんはそう思っているのだ。

彼は子供のころ外で遊んでいたら、野良犬が近づいてきて、襲われたことがあった。

それ以来犬が怖くて、散歩の犬が正面から来ると、道を変えていたほど苦手だった。

それはこの住宅地に住みしばらく経っても変わらなかった。

だが、ある出来事があって、犬への想いがガラッと変わったのだった。

                                               つづく

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飼い主の帰りを待つ アランとドロン 関連記事は→小夏庵へ
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by akageno-ann | 2010-08-07 22:12 | 小説 | Trackback | Comments(8)

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「かけがえのない日本の片隅から」part2

第2章 ゆるく暮らす その1

この住宅地も35年の歴史が過ぎた。

三期に渡って住宅の造成が行われ、現在は既に第一期の家は立替の時期にさしかかっていた。

当時はまだプレハブ工法なども初期の方で建築会社によってその仕上がり具合は随分と異なり、また建築の素材のグレードに寄っても家の持ち具合に違いがあった。

35年経ってもその中で壁の塗り替え、増築補修、屋根の補修を行っていれば風格を持ってそこに存在する家もあれば、手を施さずに住み尽くして、きっぱりと新築に立て直すという住み方もあった。

既に二代目に代わっている家もある。

三世代同居という微笑ましい家庭もあり、既に一人住まいになったご老人の家もある。

第一期に50代でここに家を建てた者は85歳を有に越えている。

家の風体は時代時代の流行や工法によって趣を異にし、新しい南欧風かと思われるような色合いの屋根の並ぶ新しい時代の家屋の集団とも不思議な協調をして面白い街になっていた。

なだらかな傾斜があるこの土地は反対側の丘の上にある神社の境内から見下ろすと、外国のように見えると住んでいるものたちの中にはそのことを誇りにしている向きもあった。

第1期の住宅地の東側の100軒の区画は当時の公社の社員に分譲されていたようで、一部社宅のような感覚があり、また同業者としての結束も固かったようで、自然に自治会が分かれていた。

結局残る住宅街はほぼ700軒の家で一つの自治会を結成した。

若い人は30代前半でこの地に家を構え幼子を育てながらの生活を始めていて、一番多い年齢が40代前後であったから、家族の大黒柱は皆働き盛りで朝は早くから出勤し、夜は遅い帰宅の人々が多かった。

その中での自治会運営はかなり難しいものがあったようだ。

留守宅を守り住宅地の人々のために活動できるのはまだ子育て真っ只中の女性陣にならざるを得なかったのだ。

その自治会だけでの活動なら それはそれで問題はないが、新興住宅地は地元の先住の人々との懇親に勤めなければならないというほんの少しの義務が課せられていたのだ。
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友人のワンちゃんたちの写真を拝借しています。

登場人物と設定などは全て架空のものです。
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by akageno-ann | 2010-08-07 00:00 | 小説 | Trackback | Comments(4)

小説 part2 関わり合う

小説を書いています。

「かけがえのない日本の片隅から」prat2

第1章 その5 関わり合う

3人と3匹は夜の住宅街の散歩をしながら話を続けていた。

「で、お礼の電話ではなかったの?」

中川夫人の答を急かすように二人は歩を緩めていた。犬たちも静かにそれに伴われている。

「型通りのお礼の言葉はあったのだけど、それから・・と話を繋ぐのよ。・・何か?と聞くとね、『ついでにもう一つお願いがあるのですが・・』というのね・・」

根本さんはあきれた顔になって、

「そんなついでにというのは失礼だわ・・」と声のトーンが高くなった。

中川夫人は続けた。

「そちらのお宅にも犬がいたのね、雌のワンちゃんを庭で飼っているらしいの。でね、他所の牡犬が入ってきて困る、なんとかならないか?というのよ。」

石元さんは声に少し怒りをこめて

「なんという図々しい話なの?」

というと、中川さんは待ってましたとばかりに

「そうでしょ?私も一瞬不機嫌な声になったかもしれないの。でもね、どんなお願いも一応は聞いておこうというのが主人の考えだったのを・・まあ・・なんとか思い出したので・・赤ちゃんができたことがあるのですね?・・と聞いたの」

聞いている二人は「うん、うん、」と言って頷きながら聞いている。

「結局そんなことはなかったんだけど、声が気になったりしたんでしょうね、一応お話は伺っておきますが、うちにも犬がいますが、先ずは外から犬が入り込めないようにしてみていただけますか?・・とだけ繋いだの」


「まったくね~~・・自治会長にそこまで面倒見させるなんて・・大体飼っているものの責任じゃないの?」

石元さんは開いた口が塞がらない、というように語った。

「まあ、そのあと会報の隅にいつも『犬や猫の放し飼いをやめましょう』は入っているでしょう?それくらいはおさえておこうということになったのよ。」

動物を飼うということのルールの徹底は日本は少し緩いかもしれない、と3人はそれぞれの飼い方を確かめながら話し合っていた。

公園にさしかかると、賑やかな子どもたちの花火に出会った。
中学生だろうか?数人で十連発花火などをやっている。

中川夫人は仕方ない、という風にそのまま公園に入って行った。
そして子どもたちの傍に向かっていた。

二人もそれについていくことにした。

小言をいうのではなく、見守ろうとしたのだった。

子どもたちに何か小言を言っても効果もなく、大人3人と三匹の犬たちがそれを遠巻きに囲んで 少し静かに 花火を楽しませて帰そうということにした。

今夜は祭りの夜で、地域の子どもたちの帰宅時間もいつもより緩くなっていた。
                                                 つづく

登場人物と設定などは全て架空のものです。
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ak-joyfulさんによる愛犬をモデルにしていただいた布絵です。

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by akageno-ann | 2010-08-05 22:01 | 小説 | Trackback | Comments(11)