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再び父は・・・

第2章 その13

父が病に倒れてから、あまりにも変化が大きくて、その大きさに
私は黙っていると押しつぶされそうになるので、行動したりしゃべったりと
賑やかな子に変貌していた。

本当はのんびりしていて、甘えていたいのに、そんな風に暮らすと
皆が『理子は今家のことが大変で可哀相・・』って
思っちゃうような気がして・・いたって元気に明るく過ごしていた。

でも倒れそうなほど疲れてしまうこともあった。

そんなときに めい子さんが現れて、私は彼女を殆ど知らないのだけど
めい子さんが母を大好きなのだ、ということを知って、ちょっと嫉妬もしたけれど
めい子さんが私をとても気遣ってくれる優しさが自然なので次第に彼女に惹かれていた。

母はそんな私たちの新しい関係をとっても喜んでいるようだった。

そんな時、父はほんの少しだけど、成長していた。
そう、子供が少しずつ成長するような進歩を見せたのだ。

「ニューデリー、懐かしいなあ・・・」

ふと父が呟いたとき、母はびっくりして父を揺り動かした・・

「あなた、思い出したの?」そう言いながら。

北川先生が見えたとき、母はものすごく喜んだけれど、父はちょっとピンとこないようで
北川先生を失望させたのだった。

でもその北川先生が知らせてくれた平田先生のお嬢さんのめい子ちゃんに
父は確実に大きな反応を見せたのだ。

つづく

小夏庵ものぞいてくださいね。

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by akageno-ann | 2009-02-10 23:58 | 小説 | Trackback | Comments(13)

Commented at 2009-02-11 00:13 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by mahos-table at 2009-02-11 07:31
おはようございます☆
ご無沙汰してしまいスミマセン・・・
遊びには来ていたのですが、読み逃げでした^^;

娘の名前が似ているので、
ちょっと親近感というかダブります。
(子を取ると、娘の名前です)
そして自分中心な母、よう子さんは私???
そう思いたくない~!(笑)
Commented by akageno-ann at 2009-02-11 09:43
mahoさん、ありがとう
読み逃げなんておっしゃらず・・気楽によってくださって
嬉しいですよ・・私も時々うかがわせていただいてます。
そうなの?お名前が・・かわいいお名前・・私も名前は自分の
お気に入りを考え付きます・・

親近感をもって読んでいただけるのは光栄です。
また是非覗いてくださいね・・
Commented at 2009-02-11 12:09 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by fmutu at 2009-02-11 13:40
でも。。。きっと理子さん強くなっていかれるんでしょうね。。。
私は過保護><過ぎかな?と反省してます。。。
自立させるのが親の義務ですものね。。。
Commented at 2009-02-11 15:41
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ka-chan-anone at 2009-02-11 15:43
理子にとってめい子は救世主ですね。
家族の誰かが倒れて、家族で介護して、
その周りには分からない閉塞感・・・。
父が倒れた時、私はもう社会人でしたが、
やはり重たくてつぶれそうな時もありました。
まだ中学生の理子、
めい子さんという両親のことも知っていて外の空気に触れさせてくれる存在が現れたこと、大きいですね☆
Commented by akageno-ann at 2009-02-11 16:56
fmutuさん、でも自立って簡単ではないですね。
こういう事件があって止むを得ず・・だと理子の場合は
思われます。
そしてこういうことなく過ごしてほしいと子供たちには
願います・・強さって本当はいらないのかもしてません・・
Commented by akageno-ann at 2009-02-11 16:57
CHILちゃん、救世主・・そうネットにしても・・実際にしても
その時に必要な人と上手く出会えるような人生はありがたいですね。中学生だとある意味楽な面もありますね・・
ただ長さが彼女をどう変えるかが・・課題です・・
Commented by panipopo at 2009-02-11 19:47 x
姉さん、こんばんは☆
何がきっかけになるかわからないものですね。
回復しつつある翔一郎さんにはみんなうれしいに違いない、って思います。
少しずつでも回復したら、本当に家族としてはありがたいですよね。

めい子さんの存在が美沙さん一家に大きなものであること感じてます。
これから良い展開になっていったらいいですね。

私も小さい時から長女だったし、いつも気丈なしっかりとした役目をしてきたつもりです。
今はそれが裏目に出ているけれど、子供が強い面を演じなくてはならないのは大変ですよね。
Commented by akageno-ann at 2009-02-11 22:51
ぱにぽぽちゃん、たくさんのコメント本当にありがとう
長女・・そして一人っ子の大変さもありますね。
子供としての役割をただ一人の女の子は必死に果たそうとする。
そのことに感動したことが何度かあるのです。
そうしてそういう過程をもった人の素晴らしさも知っています。
だからそういう素晴らしかったことその人の苦悩をきちんと書いておきたいな、と思っているの・・
Commented by cacaopon at 2009-02-13 22:55 x
♪ 長女の気持ちは分かります。
そう 余分に家族を背負っちゃう人多い。

理子ちゃんは 中学生 大人の話 大人の事情 ほとんどは理解できてるでしょうが やはり それを全て受け止めるには負担が多すぎます。
でも 今 この家族にとって 理子ちゃんは本当に欠かせない存在であり 色々なことを動かす原動力となり 勇気となり 元気であり 笑顔であり 本当に大きな大きな存在ですね。

翔一郎さんの視点からの インドのお話 たくさん聞いて見たいです。
Commented by akageno-ann at 2009-02-14 10:39
私も長女さんですよ・・cacaoponさん
一人っ子だとまた余計に違うものがあるようです。
理子は自分の存在のあり方を体得してますね・・
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