めい子との生活
第6章 その7
いよいよめい子が同居し始めた。
一番嬉しそうなのは、やはり理子だった。
長いこと一人っ子の暮らしに大好きな姉のように慕うめい子が訪れて、すでに高校生の理子は控え目ながら喜びを態度に表している。
話をすることが嬉しそうで、食事中の会話は明るいものになった。
翔一郎が帰宅してから翔一郎中心にセーブされた食事中の会話だったが、そのときはめい子が中心になっていた。
理子のために良かった、と美沙はこの決断に安堵していた。
「めい子さん、お休みの日はどうするの?」
という理子の問いに、めい子は
「買い物に出かけたり、家の掃除をしたりして過ごすのよ。」
と答えると、
「デートはしないの?」
と理子はあっさり聞いた。
美沙も年頃のめい子のその辺の様子は知りたかった。
「あはは・理子ちゃん・・はっきり聞くのね・・ でも残念ながらそれはまだないの。」
「でも、めい子さん素敵よ?」
そう理子は続けた。
「そうね、めい子ちゃん素敵よね。でもお付き合いしている方はないのね?」
と美沙はあまりしつこくならないようにそこで話を切った。
気になることではあるが、まずは彼女を信頼することだ。
そう感じていた。
両親の平田夫妻のことを考えれば、その辺のこともさりげなく気をつけてやりたい、と保護者の思いももっていた。
だが、めい子は既に成人となっていたのだ。
めい子も明るく食卓で話をしてくれた。
「よくインドから、一緒に旅行しましたね。シンガポールは楽しかったですね。」
「シンガポール、アジアの小さな国?どんなところなの?」
と理子が聞いた。すると翔一郎が
「美味しいものや買い物の天国だったよ!」
と、明るく答えるのだ。
理子は羨ましかった。素直に
「いいなあ、みんなでいきたいなあ!」
と答えた。
祖母の信子が残念そうに
「飛行機で行く場所は無理だわねえ。」
と残念そうに付け加えた。
が。そのとき理子は明るく細くするのだった。
「おばあちゃん、船で行くのがあるでしょう!?」
皆唖然として、そして微笑んだ。めい子がすぐに
「ほんとクルージングって素敵ですよね。」
皆微笑んで、ふと同じ思いで夢をみるような目をしていた。
クルージング、そうだ、体が不自由でも全て閉ざされているわけではない。
明るい未来も切り開いていけるのだと、ふと素直に思える美沙がいた。
つづく
追伸・・
クルーズのお話をだしましたが、私はとても憧れています。
実際に車椅子生活をする家族をつれていつか行きたい、そう思っていますが、今日は素敵なクルーズをされたクリスタルさんのブログ「Crystal Diary2」のクルージングの素敵な記事を是非ご覧になってください。
私はここでいつも癒されています。
「Cozumelへ*旅日記* Day1」をのぞいてくださいね。
いつも応援クリックに感謝しています。
by akageno-ann | 2009-04-24 07:47 | 小説 | Trackback | Comments(6)
Commented
by
crystal_sky3 at 2009-04-24 09:39
annさん、おはようございます♪
まずは素敵にご紹介くださり、ありがとうございました^^
実際のところ車椅子で参加されている方もいらっしゃっいましたよ。
エレベーターの設備もしっかりしていますし^^
実家の母が足が悪く、こちらに来たときもテーマパークを歩くのは難しいと、車椅子を借りました。普段は車椅子なしで生活していることもあり、
本人は抵抗があったようですが、どこのテーマパークでも公平に設備を
利用できるようになっていることに改めて感心しました。^^
まずは素敵にご紹介くださり、ありがとうございました^^
実際のところ車椅子で参加されている方もいらっしゃっいましたよ。
エレベーターの設備もしっかりしていますし^^
実家の母が足が悪く、こちらに来たときもテーマパークを歩くのは難しいと、車椅子を借りました。普段は車椅子なしで生活していることもあり、
本人は抵抗があったようですが、どこのテーマパークでも公平に設備を
利用できるようになっていることに改めて感心しました。^^
0
Commented
by
ann
at 2009-04-24 10:45
x
クルージング 私も一度はいってみたいです。
高校時代に高知から 東京にいったけどそれもクルージングかな?
高校時代に 小母の家で 暮らしましたが そのとき20代の従姉とも私は うまく できませんでした。
理子ちゃんのような 明るさも 素直さも なく、心が開けませんでした。
とてもいい関係に 読んでていい気持ちになります。
高校時代に高知から 東京にいったけどそれもクルージングかな?
高校時代に 小母の家で 暮らしましたが そのとき20代の従姉とも私は うまく できませんでした。
理子ちゃんのような 明るさも 素直さも なく、心が開けませんでした。
とてもいい関係に 読んでていい気持ちになります。
Commented
by
panipopo
at 2009-04-25 11:15
x
めい子さんの同居、理子ちゃんにはとりわけ、いいものであるみたいで私もうれしいです。
それにきっと全体的に家の中張り合いと活気が出て来るでしょうね。
翔一郎さんも話題に加わることができて何よりですね。
クルーズ、いつか実現するといいですね^-^
それにきっと全体的に家の中張り合いと活気が出て来るでしょうね。
翔一郎さんも話題に加わることができて何よりですね。
クルーズ、いつか実現するといいですね^-^
Commented
by
akageno-ann at 2009-04-25 13:01
ba-chamaは実現可能な場所にいらっしゃいますよね~~~
いいなあ・・日本でもまあ少しはあるので・・絶対にアメリカの方に
向かっていきたいなあ・・しかし船酔いは大丈夫かしら??
素直さ・・それが私のテーマかもしてません。
いいなあ・・日本でもまあ少しはあるので・・絶対にアメリカの方に
向かっていきたいなあ・・しかし船酔いは大丈夫かしら??
素直さ・・それが私のテーマかもしてません。
Commented
by
akageno-ann at 2009-04-25 13:02