人気ブログランキング | 話題のタグを見る

土佐日記

第7章 その1

はじめに・・
土佐日記_c0155326_15101863.jpg

この小説もおかげさまで第7章まで参りました。
いつも応援していただいてとても励みになっています。
ふるさとのことを小説に書ける幸せも感じています。
今ふるさとの仁淀川沿いの町いの町の川にはこうして紙の鯉が泳いでいます。
それはたくさん泳いでいます。

ここはかつて和紙の里でした。そのことを思い起こさせてくれる行事です。
不織紙に様々に鯉の絵を描いてこうして川に・・・
壮観な眺めです。もちろん空を泳ぐ鯉もいます。
男の子のいる家では川をまたぐように鯉を連ねる家もあるのです。

そんな初夏の高知へ片山一家とめい子が出発します。
土佐日記_c0155326_1515861.jpg

この映像は高知の観光用に撮られたものを拝借しています。

片山信子は大正の後期に高知市内の薬屋の次女として生まれた。
兄弟姉妹は5人ほどいて、長男一家は現在も薬問屋を営んでいる。
もちろん今はその息子の代になっていたから信子も法事以外に生家を訪れることもなくなっていた。
兄が亡くなって10年近くになるから、三回忌に戻った時を最後にもう数年高知へ足を踏み入れていなかった。

7回忌は元気だった息子の翔一郎が美沙と理子を伴って帰っていた。

そして昨年翔一郎はこうして障害者になり、親族にも報告をしたが、わざわざの見舞いを丁重に断っていたのだった。

信子の気持ちが大きく変化したのは、平田めい子との同居だった。

翔一郎が大きく反応し、昔知り合いだった人との交流に寄って脳の快復が見られることに、気のせいであっても、もっと大きなきっかけを作って見たいと思っていた。

ましてや、80歳になる信子自身、そうそう長旅はしんどくなるのを感じていたのだ。

高知は初夏の季節が一番好きだった。

鰹は旬を迎え、若葉の美しさは見事なものであった。

仁淀川の川の光は何か大きなエネルギーを人に与えてくれるようであった。

信子は美沙に自分が旅行費用を出すから、翔一郎にとっても同行の皆にとっても寛ぎのある良い旅を選ぶように頼んだのだった。

つづく

にほんブログ村 小説ブログ 現代小説へ
いつも応援クリックに感謝しています。

小夏庵ものぞいてくださいね。

by akageno-ann | 2009-05-02 15:30 | 小説 | Trackback | Comments(5)

Commented at 2009-05-03 18:25
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by sarisukemama at 2009-05-04 00:55
姉さん、
鯉のぼりがたくさん泳いでいて本当にきれいで感動しました。
川の中を泳ぐ紙の鯉のぼりについて、この歳になるまで知りませんでした。
なんてきれいで悠々とした光景でしょう。

今日は信子さんの視点で息子の翔一郎さんの介護についてでしたね。
母親として愛する息子が自分より先に介護が必要な身になるなんて、きっと信子さんは思ってもみなかったことだと思います。親として、それもとてもつらいことだと思います。

そして大正生まれの信子さんは、やはり世間の目も気になる事だと思います。そんな時にめい子さんが登場してくれて本当によかった。

ポジティブであたたかな人ひとりが周りに人に与えるプラスの影響は大きいものですね。そのような人になりたいものです。

姉さんの小説、記事を通してみる高知はいつも水面にうつる太陽のように輝いていて、本当にいつか訪ねてみたくなります。

かつおのたたきが食べたいです!かつおのたたき、大好き!!!
Commented by panipopo at 2009-05-04 07:08 x
本当にきれいで壮大な風景ですね。
何よりも川が澄み切ってきれいなブルーグリーンなので、うっとりとしてしまいました。
そこに泳ぐ鯉のぼりは、これまた大空のものとは違って、素晴らしいです!
やはり初夏の高知は、とりわけ素敵なんだなぁ、って思いましたよ。私もいつか行ってみたいところが増えました。

信子さんの母親心が通じて、少しでも昔からの馴染みの親戚の方々や風景を眺めることによって、それが翔一郎さんの脳にもよい刺激になるといいですね。
そして、理子ちゃんもめい子さんと一緒の旅行だから、もっと楽しいものになるでしょうね。
読んでいる私まで、ウキウキして来ますから☆ 笑
Commented by ann at 2009-05-04 17:23 x
さりちゃん、私も自分の生まれたところだからこのことを知ったのですが
他にもあるかもしれないですね。この鯉をみてると本当に泳いでいるようでとても嬉しくなるのです。きっとみんな見てくれてますね。
高知はとても風景のいいところですよ・・
この季節が一番好きです。
この川で会いたいですね・・いつか一緒に鰹を食べたいですね。
ポジティブな思考を持つ人に出会って、それをありがたいと思う気持ち・・これが大切だって思います。
そういう風に進んで行きたいです。
Commented by ann at 2009-05-04 17:33 x
ぱにぽぽちゃん、ここは一級河川なんですよ。
何年か前に日本の航空会社のカレンダーにあってとても嬉かったのです。
初夏の高知はとてもお奨めです。これから皆さんをご案内したいです。
鯨見学もできますよ・・
旅は老若男女一緒だとまた面白さが増すと思うのです。
おいしいものや人との出会いそういうことがまた皆に良いエネルギーを与えると思います。
名前
URL
削除用パスワード