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土佐料理

土佐の旅を題材に小説を進めています。
この季節の土佐はやはり鰹ですね。
皿鉢は訪れる人々を心から歓待してくれます。

第7章 その3
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土佐の料理は進化している。果物も様々な種類が増えて、文旦と小夏という可愛い蜜柑が贈答品では主流だったのに、最近はメロンやマンゴーが姿を見せ始めた。
信子の親族が折に触れてそれらを送ってくれるので、皆でふるさとを身近に感じつつご馳走になっていたものだ。
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土佐の人々は客人を持て成すのが大好きである。
今はやりの突然の泊り客を持て成すテレビ番組でも、不思議と土佐人は気楽に良い返事をするような気がしている。テレビに映りたいというよりも、今晩の宿がない、と聞くと気の毒になってしまう性質なのだ。
そして隣近所にも声をかけて酒宴になることが多い。

その日は片山家一行がやってくるというので、本家の大広間で皿鉢料理をとって大宴会を準備していた。
少し遠方からも親族が集まってくるという。
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理子とめい子は新参者として皆に可愛がられた。
人数が増えた片山一家をほほえましく迎えていた。
翔一郎の姿にも人々は自然に振舞っていた。
ここは噂はすぐに広まるところだが、その姿でも飛行機で戻ってきたことを高く評価し、翔一郎を心の底からもてなすのであった。
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理子とめい子が目を見張ったのは、会場に用意された見事な料理だった。
信子も驚いて
「まあ皿鉢の様子が変わったわね~~。お洒落になって・・」
その言葉に長老が

「しかし今までのと変わらんほうが良いぜよ・・とりにくい」
と、言葉を挟んだ。
接待する若い女性がすかさず言う。

「今日は関東からのお客さんだもの、若い人もおるき、少しはしゃれるよねえ」

と、皆を笑わせた。

ふるさとの人々がこうして集まるのも最近は随分少なくなったということだった。
つづく
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小夏庵ものぞいてくださいね。

by akageno-ann | 2009-05-06 10:53 | 小説 | Trackback | Comments(3)

Commented at 2009-05-06 17:26
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by panipopo at 2009-05-07 07:57 x
皿鉢料理もモダーンになりつつあるんですね。
でも、その客人をもてなす気持ちは昔から変わらず、って素敵だと思います。
こうやって親から子へと受け継がれる伝統とか慣習って素晴らしいものがありますね。
土佐の気風はオープンで明るいものがありますね。
遠来の客人を迎える姿は、楽しくもあるな、って感じました。

飛行機の待遇も良くて、美沙さんたちもホっとしたことだと思います。
宿もこうやって5人一緒に特別室だと安心ですね。
親戚の若い男性の介助もうれしいことだと思いますよ☆

私は、アレルギーで2日間ほとんどダウン。
やっと少し良くなったのは今日は黄砂がなく明るい青空が見えるからかしら!?笑
Commented by ann at 2009-05-07 13:43 x
panipopoちゃん、そうなんです。土佐の気風って明るいです。
そしてそれとうらはらなお節介な部分も私は好きです
自分も土佐人だとおもうことがあります。
障害者やお年寄りがたのしい旅をする機会が増えるといいな、と思ってます。お体大丈夫?黄砂は大変ですね。
収まってほしいです。
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