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コスモスのように・・その17

今日は一人車を飛ばして東京郊外の武蔵五日市へ寒風を吹き飛ばすように
出かけてきました。
コスモスのように・・その17_c0155326_21751100.jpg

寒いけれども抜けるような青空・・途中の圏央道から見える富士山の雪を頂いた美しい姿にも感動があります。
ブログを通して出会えた人々、特に今日はお菓子やパンを丁寧に作られる方々・・いずれゆっくりご紹介したいのですが、その出会いによって発想した今日の小説をお読みいただきたいです。

小説 コスモスのように 

その17

堀田紘一郎と恵子夫妻は新しい二人の生活をこの旅でじっくりと考えることになった。

3人の子供たちを育て、上の二人は社会人になっている。

特に長男の優は間もなく結婚しようという伴侶にもめぐり会えた。

長女の沙耶は失恋をしてしまったが、そのことでまたひとつ大人になっているようにも見受けられる。

親としては社会人になった子どものことは少々推し量れなくなっている部分が増えた、と感じていた。

そんなときは無理に子どものことを理解しようと追いすぎることなく、むしろ夫婦のこれからの生き方を考えることに時間をかけようと、それぞれがなんとなく思っていたようだった。

夫婦は夫婦として年老いたときに、それぞれの生きる形を作っていくことが、また子どもたちへの新しいエールになるのかもしれないのだ。

紘一郎は妻恵子の病によって、気づかされたことの多さに神様に感謝するような思いが沸きあがっていた。

妻に感謝する思いは、あると思っていても、実際はなかなかそれを相手に現すことはない、形でなく本当の心で表すこと・・形はほんの少しの手助けで、思う心の強さはこうして一緒に過ごす時間にこよなく互いが機嫌よくいられるように心がけることなのではないだろうか・・

紘一郎は時として仕事での疲れによって彼女に当たったこともあったし、暴力こそふるわないが、語気の強さだけで妻を傷つけていたこともあった・・と今さらにわかるのだ。

そういう面を見せていては息子もまた、反面教師ならばよいが、結婚して良い伴侶になるために決して良い見本ではなかった。

しかし間に合ったと紘一郎は確信した。

そんなことを気づかせてくれた妻の病をこの場合大切な経験として受け止めることができてきていた。

美味しいものを「おいしい」と語らいながら食し、妻のいるその風景を写真に収めたり、大事な時間をその旅で費やしていく幸せを感じていた。

その宿舎の食事は素朴であったが、心のこもった暖かい料理であった。

何よりも小さな囲炉裏で川魚やキノコや野菜を二人で焼きながらの夕食と、焼きたてのパンに手づくりのりんごジャム、ゆで卵に生野菜 と薫り高いコーヒーの朝食がこよなく二人を幸せにしていたようだった。

つづく

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by akageno-ann | 2009-12-20 21:33 | 小説 | Trackback | Comments(6)

Commented at 2009-12-20 23:06 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2009-12-21 06:39
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2009-12-23 12:29
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2009-12-24 11:02
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by daikanyamamaria at 2009-12-24 14:35
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  Merry Christmas。。.☆*
     Joy and Peace to You。.☆*:.。.☆*† 


         daikanyamamaria。。☆*:.。.☆*†
Commented by akageno-ann at 2009-12-25 00:18
マリアさん・・メリークリスマスいつも本当にありがとう!
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