その12 決断
小説を書いています。
かけがえのない日本の片隅から
アンのように その12 決断
どんなときにも即決しなくてはならない状況というものがある。
その最たるものはやはり病と向き合ったときだと思われる。
正一郎が心筋梗塞を起こしそうになって、大学病院に運ばれ、カテーテル検査を行った結果、早急な冠動脈バイパス手術が必要であると医師から大きな提案が成された。
冠動脈のバイパス手術は脆くなった心臓付近の血管にバイパスを作って補佐するというようなものなのだろうか・・・いずれにしても心臓を止めて行うという大手術だと思うが、今の高度先進医療ではある程度自信を持って行われている手術だと紘一郎たちは聞いている。
実に20年前にもそのような手術を勧められたことがあったが、父正一郎はその時
「そこまでして長生きしたくはない。」
と きっぱりと言い放って、手術を拒否し投薬に寄る治療が続けられた。
その時の医師たちの呆れたような顔は未だに忘れることはない。
ことに嫁の恵子は 自分たちの親を思う意識が薄い、と言われたような印象を受けて大きなショックを抱いたことだった。
しかし最近はホームドクターのような近くの医院の医師に
「堀田さん、貴方の判断は正しかったですね。人間の体にはなるべくメスを入れないほうがいいのだと、私も思いますが、こうして貴方が元気な姿は、私も大変嬉しいですよ。」
そう言われて正一郎が大変満足したばかりだったのだ。
つづく
絵は「ひげじい脳梗塞からの軌跡」より拝借しています。
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これまでの作品はこちらから→「アンのように生きるインドにて」
小夏庵はお休みしています。
by akageno-ann | 2010-02-07 20:48 | 小説 | Trackback | Comments(2)
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by
reikopep0510 at 2010-02-08 09:39
annさん、小説は海外でもかかさずアップされたら即読みしてますよ。読み逃げが続いてしまいすみません。
小夏庵がお休みとの事、まさか小説も?と思っていたので安心してます。
私もそろそろラウナのお留守番部屋を改装工事に踏み切ろうかな?と思ってます。家って完成からがスタートなのかな?と思い始めました。掃除も含めて、常に進化していく。同じ状態であるなんてあり得ないのですね。だいぶ気持ちが落ち着いたので、そろそろ、ラウナとの思い出に浸るのもやめて、住み心地の良い家作りを目指そうかな?と思ってます。
小夏ちゃん、相変わらずの美女っぷりですね。
小夏庵がお休みとの事、まさか小説も?と思っていたので安心してます。
私もそろそろラウナのお留守番部屋を改装工事に踏み切ろうかな?と思ってます。家って完成からがスタートなのかな?と思い始めました。掃除も含めて、常に進化していく。同じ状態であるなんてあり得ないのですね。だいぶ気持ちが落ち着いたので、そろそろ、ラウナとの思い出に浸るのもやめて、住み心地の良い家作りを目指そうかな?と思ってます。
小夏ちゃん、相変わらずの美女っぷりですね。
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at 2010-02-10 06:40
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