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その14 やはり女性が・・

小説を書いています。

かけがえのない日本の片隅から

アンのように その14 やはり女性が

正一郎の心臓バイパス手術は 恵子の決断によってほぼ決まったようなものだった。

「お父さん、ご一緒に頑張りましょう。」

医師から難しい手術の説明を受けながら、恵子の気持ちは決まっていた。

結局正一郎を直に支えるのは自分しかいないのだ・・と感じ取れた。

手術に対して臆病そうにする年老いた人の可能性にかける必要があった。

ここまで独り身で過ごした舅 正一郎の様子は今その時点では 恵子がその心を一番わかっているようだった。

その人の妻 つまり恵子の姑が生きていたら、何も迷うことなく

「お父さん、やりましょう。」と言うに決まっていた。

姑の気持ちが、年をとるごとにわかってくる恵子がそこにいた。

紘一郎はその恵子の言葉に全てを委ねることしかできない自分に気づき、この妻を守ってやることが自分の役目だと覚悟をした。

子どもたちは母恵子の手伝いをしてあげることこそ大切なことだと、改めて知った。

少し大変なことになりそうな状況下で、長男優は自分の結婚についてを少し考えていた。

つづく

その14 やはり女性が・・_c0155326_18154910.jpg

絵は「ひげじい脳梗塞からの軌跡」より拝借しています。

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これまでの作品はこちらから「アンのように生きるインドにて」

小夏庵はお休みしています。

by akageno-ann | 2010-02-12 20:17 | 小説 | Trackback | Comments(3)

Commented at 2010-02-14 07:21
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by panipopo at 2010-02-15 19:21 x
読んでいて、正一郎さんには奥さまが亡くなられて何年経っても、その大切な人に代わる素晴らしい家族がいるんだなって改めて認識しましたよ~!
弱気になった時の家族の力、特にお嫁さんの恵子さんの言葉や温かい気持ちは本当にステキだなって思いました。
愛情って、長年培って自然と大きくなるもんですね。
家族っていいなって思いました☆
Commented by akageno-ann at 2010-02-16 16:03
panipopoちゃん、長年培う心ってありますよね
共感が嬉しいな・・いつもありがとう!
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