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アンのように その19 季節を感じる食事

小説を書いています。

かけがえのない日本の片隅から

アンのように その19 季節を感じる食事

この年になって食の趣向はやはり生まれてもったものに戻るのではないか・?

と、恵子は考えていた。

特に昨年病に伏せっているときは、幼い頃から好きだったものを少しだけ食べれば良い、というほど食欲が失せていた。

このまま食べられなくなって、命が亡くなったとしても自分は若い頃の楽しい食事の思い出がたくさんあるからいいのだわ・・と自問自答してしまったり、食べないということはそれだけで人をネガティブにするものだと感じた。

その日は正一郎の妹の克子とその娘、雛子と恵子と娘の沙耶の4人で小さな個室に誘われて、カジュアルなフランス料理を楽しむことになった。

病院に正一郎を残してのこの食事会を持つことに、申し訳ない気持ちがないわけでもなかったが、恵子自身、自分が入院中にも見舞いの人々がせめて帰りに楽しいことをして行ってほしいと願ったから、これはゆるされることだと思ってもいた。

「兄さんは、あまり食事を楽しむ方ではないの?」

克子は外食が大好きな楽しい叔母で、その何気ない質問にも恵子は素直に応えることができた。

「ええ、例えばこういうレストランは一番好まないでしょうね。」

料理は先ず前菜にトリュフのカプチーノ仕立のポタージュ 四種のキャベツのサラダ カナッペもアボカドと白海老が上手くマッチしたペーストで、4人の会話も弾んでいた。

つづく

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料理はフレンチレストラン ヴェロニカペルシカ 
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これまでの作品はこちらから「アンのように生きるインドにて」

小夏庵もよろしく。 

by akageno-ann | 2010-03-06 00:09 | 小説 | Trackback | Comments(1)

Commented at 2010-03-09 07:08 x
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