アンのように その24
小説を書いています。
かけがえのない日本の片隅から
アンのように その24 家族の結束
堀田家の長女である 沙耶は大学卒業後 人材派遣会社に籍を置いて事務系のデスクワークを続けていた。
その間に母恵子の病気入院もあり、沙耶は家事を積極的に手伝う気持ちが強まっていた。
「一家に一人でいいから、家族のことを真剣に考える者がいる家族は救われる。」
沙耶は学生時代に心理学の授業で聞いた一人の准教授の言葉をいつも胸に置いていた。
その一人に自分はなりたい、今まで母恵子がしてきたことを、自分が代わってあげたい。
その思いが強くて 本格的な就職を見合わせていた。
この時代 就職を焦ってどこへでも・・という思いは 沙耶にはなかった。
そのことで友人から 心配されたり揶揄されたりもあったが、こんなときだからこそ、じっくり考えていたいと思ったことが本心だった。
そのために親の脛をかじる状況に身を置くことになるので・・自分の身の回りのものを買うこと位は自力でと考え できうる仕事を探していた。
それは電話番のような仕事ではあったが、礼儀作法がしっかりした者という選考が行われたので 沙耶は緊張して面接に赴いた。
面接した中年の女性社員は 沙耶の母親の看病と これから訪れる同居の祖父の看護はなるべく自分が手伝いたい、という沙耶の意見に注目した。
その根底に流れる芯のある優しさを感じたのだった。
つづく

イラストはM.NEZU

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これまでの作品はこちらから→「アンのように生きるインドにて」
by akageno-ann | 2010-03-23 07:43 | 小説 | Trackback | Comments(8)
ご主人が描かれるイラストには、いつも優しさを感じます。
同じ屋根の下に暮らしても、、皆それぞれバラバラに生活をする
家族が増える中で、家族の結束とは現在見直すべきテーマかも
しれまあせんね。ありがとうございます。
同じ屋根の下に暮らしても、、皆それぞれバラバラに生活をする
家族が増える中で、家族の結束とは現在見直すべきテーマかも
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