小説 part2 挨拶する人々
かけがえのない日本の片隅からpart2
第1章 その3
挨拶する人々
夏だけの集会のようなこの盆踊りと花火大会は夕闇の中でフラッシュのような明るい光に援けられて人々の顔ははっきりと判明できた。
共に花火や踊りを見て楽しんでいるというシチュエイションが気楽でどの顔を見ても比較的明るくて、気楽な挨拶を交し合っていた。
キタロウというスコッチテリアの飼い主の中川さんはこの地域の自治会の会長をして2年目を迎えていた。
公務員として役所勤めを終えて しばらくはボランティアとして老人施設のイベントの手伝いをしたり、地域のイベントの運動会やゴルフ大会 ゲートボール大会の世話役を熱心に行ってきた。
その上に暖かで明るい人柄が地域住民から親しまれて、自治会長に推挙されたのだった。
中川さんはキタロウを連れて、一日に3回はこの住宅地を散歩していた。
暑い夏の日中はさすがに控えていたが、朝は5時前に公園まで出て、そこで太極拳を一人で行っていた。
キタロウはその主人の様子をのんびりと公園の東屋の椅子の上に横たわって それを眺めるでもなく過すのが好きだった。
最近ではその太極拳の仲間に加わる人が数人に増えていて、楽しみながらも真面目に行われていた。
キタロウという馴染みのある名前のテリアが愛嬌良しで誰にでも黙って撫でられる性格もあって、街の人々は中川さんと一緒に親しんでいた。
犬が一緒だと声をかけやすいらしく、中川さんを知らない人はこの街にいないのではないか、と思うほど人々はよく彼らに挨拶をしていた。
時には犬連れの人と長く立ち話をしていることもあれば、一緒に散歩することもあって、そのコミュニケーションのとり方はとても和やかだったのだ。
祭りの夜は中川さんは会長として忙しく動き回っていて、キタロウは奥さんに連れられて会場の隅っこにいた。
ハナを連れた石元夫人も柴のタロウと一緒の根本さんも花火が始まるときになって、キタロウの傍に移動していた。それほど花火を怖がる犬たちではなかったが、たくさんの人々の中では思いがけないこともあるので、そんな気遣いをしあっていた。
キタロウは可愛い尻尾をこれ以上できないというほど振って、ハナとタロウを待ち受けていた。
つづく
小説の開始を祝ってくださって、子育て絵日記のブログの「かあちゃん、あのね」のCHILさんがイラストを描いてくださいました。
関連記事は小夏庵へ →☆
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by akageno-ann | 2010-08-04 00:18 | 小説 | Trackback | Comments(5)
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nanako-729 at 2010-08-04 06:31
annさん、おはよう!
ワンちゃんにもいろんな性格があり人懐っこい子や、ちょっと臆病な子
いろんな個性の子がいますね!
annさんと子夏ちゃんのお散歩風景と重ねながら読んでいます!
温かい目線でゆっくり流れていくワンちゃんの世界…楽しみです!
ワンちゃんにもいろんな性格があり人懐っこい子や、ちょっと臆病な子
いろんな個性の子がいますね!
annさんと子夏ちゃんのお散歩風景と重ねながら読んでいます!
温かい目線でゆっくり流れていくワンちゃんの世界…楽しみです!
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at 2010-08-04 11:46
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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at 2010-08-04 14:13
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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akageno-ann at 2010-08-04 22:56
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akageno-ann at 2010-08-04 22:57
鍵コメさん・・本当に読みにいらしてくださってありがとうございます!