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小説 part2  第2章 ゆるく暮らす

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「かけがえのない日本の片隅から」part2

第2章 ゆるく暮らす その1

この住宅地も35年の歴史が過ぎた。

三期に渡って住宅の造成が行われ、現在は既に第一期の家は立替の時期にさしかかっていた。

当時はまだプレハブ工法なども初期の方で建築会社によってその仕上がり具合は随分と異なり、また建築の素材のグレードに寄っても家の持ち具合に違いがあった。

35年経ってもその中で壁の塗り替え、増築補修、屋根の補修を行っていれば風格を持ってそこに存在する家もあれば、手を施さずに住み尽くして、きっぱりと新築に立て直すという住み方もあった。

既に二代目に代わっている家もある。

三世代同居という微笑ましい家庭もあり、既に一人住まいになったご老人の家もある。

第一期に50代でここに家を建てた者は85歳を有に越えている。

家の風体は時代時代の流行や工法によって趣を異にし、新しい南欧風かと思われるような色合いの屋根の並ぶ新しい時代の家屋の集団とも不思議な協調をして面白い街になっていた。

なだらかな傾斜があるこの土地は反対側の丘の上にある神社の境内から見下ろすと、外国のように見えると住んでいるものたちの中にはそのことを誇りにしている向きもあった。

第1期の住宅地の東側の100軒の区画は当時の公社の社員に分譲されていたようで、一部社宅のような感覚があり、また同業者としての結束も固かったようで、自然に自治会が分かれていた。

結局残る住宅街はほぼ700軒の家で一つの自治会を結成した。

若い人は30代前半でこの地に家を構え幼子を育てながらの生活を始めていて、一番多い年齢が40代前後であったから、家族の大黒柱は皆働き盛りで朝は早くから出勤し、夜は遅い帰宅の人々が多かった。

その中での自治会運営はかなり難しいものがあったようだ。

留守宅を守り住宅地の人々のために活動できるのはまだ子育て真っ只中の女性陣にならざるを得なかったのだ。

その自治会だけでの活動なら それはそれで問題はないが、新興住宅地は地元の先住の人々との懇親に勤めなければならないというほんの少しの義務が課せられていたのだ。
                                            つづく
                                       小説 part2  第2章 ゆるく暮らす_c0155326_041278.jpg
友人のワンちゃんたちの写真を拝借しています。

登場人物と設定などは全て架空のものです。
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by akageno-ann | 2010-08-07 00:00 | 小説 | Trackback | Comments(4)

Commented by ak-joyful at 2010-08-07 12:07
確かに自治会の仕事は大変ですよね
新しく年度が変わって順番が回って来たりすると、もう大変です。
私の娘など学校の役員と重なって、町内会の子ども会のお祭り
の準備とかでも大変そうでしす。。。
私も越して直ぐに班長にされてしまい、ごみ置き場を決めなくてはならず、皆自分の家の前にされたくなく、なかなか決まらず大変な事が昔あったの思い出しちゃいました。
Commented by akageno-ann at 2010-08-07 20:31
街はそれぞれに成長しているな、と最近思いますし、
成長する街に住みたいな、と思いつついます。
理想の街を考えつつ現実を生きているという現在です!
コメントにとても励まされます。ありがとうございます!
Commented at 2010-08-08 21:38 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by akageno-ann at 2010-08-08 22:25
鍵コメさまありがとうございます!おっしゃるとおりです
楽しんで書いています!
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