ゆるく暮らす その5
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「かけがえのない日本の片隅から」 part2
第2章 ゆるく暮らす その5
住宅街の朝は、散歩の人々の足音で始まる。
皆比較的規則正しい歩調でせっせと歩くことを日課としている人が増えている。
友人同士、夫妻の二人連れが目立つが ひとりで黙々と走ったり歩いたりの人々も多い。
そして一番多いように思われるのが、やはり犬との散歩だ。
長く犬のいたお宅で、犬を見送ったあとに飼うのをやめる人たちも出てきたが、めっきり歩かなくなってしまった と 本当はまた、犬を飼いたい気持ちを話される人もいる。
しかしやはり一人住まいや高齢のご夫妻のお宅では、犬の散歩の大変さや、何より犬が自分たちに取り残されることになることを一番心配するのである。
そんなところにも心の優しさを教えられることがある。
ハナの飼い主 石元さんの友人はサンタという12月25日生まれの可愛いシェルティを長く飼っていらした。
が、サンタが寿命と言われる14歳で亡くなったあとに、
『家の中にあったサンタの形の空気がそのままあって辛い』
と聞いたことがあった。
石元さんは根本さんにハナを紹介されて、犬を飼うかどうか 悩んだときに、その言葉を思い出して、ためらう気持ちも強く動いていた。
しかし思い切ってサンタの飼い主だったその友人に相談すると、
「もし、今そのワンちゃんを見て、飼ってみたいという衝動が強かったのなら、是非考えてほしい。きっとその犬は貴方に出会う運命だと思うから。」
と、さらりと言われた。
犬との出会いにも運命というのはあるのだろうか?と思ったが、石元夫人にはとても素直に受け取れた。
初めて犬を飼うという出来事はこのような衝動がなければ、なかなか決心はつかないものだ。
石元夫人はこの地域に越してきたときに比較的犬を飼っている人が多い場所だとすぐに感じた。
子どもたちも友人を通して、雑種の子犬を飼うように薦められたりもしていたが、まだ不慣れなこの場所で犬を飼うことに振り回されては、と懸念して押し留めていたのだった。
だが、ハナとの出会いによってここで成長して少し親離れが感じられる子どもたちとの距離を少し縮められるかもしれない、と直感したのだった。
つづく

『いっちゃんの美味しい食卓』のアイドルスター君の写真を拝借しました!スター君とイギリス郊外のお散歩が楽しめます。
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by akageno-ann | 2010-08-12 01:58 | 小説 | Trackback | Comments(4)
本当に犬との出会いも、縁というものがあると私は思っています。
そして今まで飼った犬たちに、私は沢山の思い出と
色々な事を教えてもらいました。。。。
愛犬スパーキーも縁あって我が家に来ましたから、
この縁を大切にしたいと考えています。。。。。
そして今まで飼った犬たちに、私は沢山の思い出と
色々な事を教えてもらいました。。。。
愛犬スパーキーも縁あって我が家に来ましたから、
この縁を大切にしたいと考えています。。。。。
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。

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