心を繋ぐかけはしとなる
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「かけがえのない日本の片隅から」 part2
第3章 人と犬の関係 その3 心を繋ぐかけはしとなる
トイプードルのチャチャは本当に愛嬌のある犬で、白い小さな犬なのにその子が道を歩いているだけで、その辺りは華やぎがあって、優しい空気が流れる。
もちろんおすましな犬であったら「きれいなワンちゃん」が通っている、という程度で終わってしまうのだが、チャチャはちがった。
一度でもチャチャに声をかけた人は犬を連れていなくても、すぐに細い尻尾を目いっぱいふって近づこうとする姿が人々の心を惹きつけるのだった。
その飼い主の若い妻は始めこそ心をなかなか開かぬように見受けられたが、それはどうもこの街の先住の人々に対する緊張感のようであった。
彼女は仕事をつづけたく、しばし子どもを持つことを後にしようとしていたが、その代わりにこの犬を飼うことを決めたのだ、と石元夫人に話すまでになっていた。
「石元さんの奥さんがこんなにお話のしやすい方だったなんて、本当にもっと早くから親しくしていただけばよかったです。」
と、その若い妻の由紀子は微笑みながら言った。
その裏側をあえて話すことはなかったが、彼女がここに仮住まいするにあたって、家主がかなりのレクチャーをしていたことは間違いがなかった。
この街の良さは、細かな噂話などを詮索するのが好きなものが少なかった。
40年近い住宅地はその歴史の中に人々が自然に成長する時間が充分にあったようだ。
石元夫人も20代でここに嫁いだが、はじめのころはなかなか近所の人々と集うこともなくて、若さもあったから、都心へ出かけ学生時代の友人たちと楽しい時間を持っていたことを懐かしく思い返している。
犬がいるようになって、あまり遠出もできにくくなった、と一つの言い訳にしているが、犬と共に 今住むこの街の自然を楽しむようになっていたのだ。
そしてこうして犬を介して繋がる人との触れ合いで更に人生を豊かにするようで、この街の発展にも拘わっていけそうな気配がした。
若い妻由紀子もまた、この地に長く住んで行きたいと思っているようだった。
出会った犬を家族に迎えたことで、これまでの二年間とは全く異なる日々が訪れたことにも喜びを感じていた。
つづく
嬉しいお知らせを
イギリスでお料理ブログをとても頑張っている いっちゃんが素敵な雑誌に紹介されました!
お料理@LEE webに詳しく・・あります!
私をブログに導いてくれた女神的存在のいっちゃん・・たくさんの仲間同士のつながりを大事にしてそして広げてくれてます・・ワンちゃんつながりもね・・
さて小夏庵も覗いてね・・→「小夏庵」
登場人物と設定などは全て架空のものです。
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by akageno-ann | 2010-09-18 22:47 | 小説 | Trackback | Comments(10)
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nanako-729 at 2010-09-19 20:26
annさん、こんばんは!
人と人ってどんな出会い、きっかけで親しくなるかわかりませんものね!
犬や猫も家族の一員、とってもいいお話です!
ご近所付き合いも大切にしたいですね!
人と人ってどんな出会い、きっかけで親しくなるかわかりませんものね!
犬や猫も家族の一員、とってもいいお話です!
ご近所付き合いも大切にしたいですね!
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marimari
at 2010-09-19 21:44
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わぁチャチャは白いタイプのトイプードルなんですねっますますtotoだっ(笑)犬のいる生活、犬が人と人とを繋いでくれたりしますものねっ
続きも楽しみです♪
続きも楽しみです♪
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ka-chan-anone at 2010-09-19 23:18
犬との生活 イコール 地域と密着した生活
まさにそうですね☆
ここにくるとますます犬が飼いたくなります(^^)
私は新婚時代ハムスターを飼ったのですが、
ハムスターではまったく外との関わりはありませんし、
やっぱり犬は人間との長い付き合いの歴史を感じます。
まさにそうですね☆
ここにくるとますます犬が飼いたくなります(^^)
私は新婚時代ハムスターを飼ったのですが、
ハムスターではまったく外との関わりはありませんし、
やっぱり犬は人間との長い付き合いの歴史を感じます。
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Kiyoko-hongkong
at 2010-09-21 15:56
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LEEお料理版なんてあるのですか、知りませんでした(浦島)。
ワンちゃんつながりって未体験なのですが、仲良しコミュニティというイメージで楽しそうです。
↑Ka-chan-anoneさんのハムスター と関連してですが私は金魚くらいしか飼ったことがなく外とのつながりはもちろん皆無です。
ところでアドレスが「赤毛のアン」!中学生の頃深くはまりました(今も好き。実家には「手作り手帳」三巻が家宝としておいてあります)。でもおかげで、なんでギルバートみたいな人が出てこないのかと(「崇拝者」てのは年頃になったら出てくるものだと)思ってしまい苦労しました・・・
ワンちゃんつながりって未体験なのですが、仲良しコミュニティというイメージで楽しそうです。
↑Ka-chan-anoneさんのハムスター と関連してですが私は金魚くらいしか飼ったことがなく外とのつながりはもちろん皆無です。
ところでアドレスが「赤毛のアン」!中学生の頃深くはまりました(今も好き。実家には「手作り手帳」三巻が家宝としておいてあります)。でもおかげで、なんでギルバートみたいな人が出てこないのかと(「崇拝者」てのは年頃になったら出てくるものだと)思ってしまい苦労しました・・・
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at 2010-09-21 20:07
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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akageno-ann at 2010-09-22 22:17
nanakoちゃん、犬のお陰・・というのは本当にあるみたいなんです。
ここでも似たようなことがいっぱいあって、動物をみんなで大事にする地域でありたいですが、カラスなどの被害も増えたりして・・なかなか難しい・・
ここでも似たようなことがいっぱいあって、動物をみんなで大事にする地域でありたいですが、カラスなどの被害も増えたりして・・なかなか難しい・・
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akageno-ann at 2010-09-22 22:19
marimariちゃん、ちゃちゃを書いているときにtotoのことをずっと思ってました。ワンちゃんの表情は本当にいろいろなものがあって、私たちを癒してくれることも多いのですね。うちの子はもう少し躾が必要ですが、それでも年齢と共にちょっと協調性が増えたみたい・・って親ばかに喜んでいます。
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akageno-ann at 2010-09-22 22:21
CHILちゃん、私もハムスター飼ったよ・・新婚時代には結構何もいないよりよかった・・と思うの・・うちの場合は教材でもあった・・笑
一年生はハムスターの観察があったのよ・・
ハムちゃんの次が犬だったよ・・
一年生はハムスターの観察があったのよ・・
ハムちゃんの次が犬だったよ・・
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akageno-ann at 2010-09-22 22:23
Kiyokoさん、アンの名前はそうなんです・・最初『アンのように生きる』という題の小説を書いていました。正にあのアンに魅かれてここまで生きてきた私です。犬の小説が終わったらその アンの小説を再録させていただく予定なので、また覗いていただけたら嬉しいです。11月からの予定です。
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akageno-ann at 2010-09-22 22:29
鍵コメ様 本当に暖かいお気持ちありがとうございました!
感謝と感動をいただいてます。
感謝と感動をいただいてます。