LIVE no.8
小説を書いています。
かけがえのない日本の片隅から
LIVE no.8
人生は順風満帆という船に乗ったときは突然に襲う危険な波があることを忘れてはならない。
そう言ったのは悦子たちの祖母だった。
「人の人生には、皆平等に幸いも災いも起こりうることを忘れてはいけないのだよ。」
そう悦子は大学受験をせずに看護学校を選んだときに言われたことを常に覚えていた。
祖母は哲学的にものをいうのではなくて、日常のたわいない会話の中にふとはっとさせられるようことをいうことがあった。
悦子が30才近くなっても結婚の話もないこともかなりの老齢になっていたが
「出会うときに良いご縁に恵まれるのよ。」と 少しも焦る必要のないことを話していたのも、つい最近のことのように思い出せる。
祖母はたくさんの生きるための心情を語りながら90歳卒寿を迎えた明け方に静かに永遠の旅に旅立っていった。
その祖母の旅立ちの日も悦子は、姉や従姉弟たちと祖母の亡骸の前で祖母の生き方と孫たちへの愛情の深さをしみじみと話したことだった。
日ごろ少々気の強い祖母に40年も添った嫁である叔母も
「おばあちゃんはすごい人だったわ」と姑を最高の賛辞で見送っていた。
その日の姉牧子は 子供二人を連れていて、曾孫を見せることができたことに満足していたのだった。
あどけない子供たちは曾祖母の亡くなったことを悲劇ではなく、明るく見送っていた。
お参りするために健気に手を合わせる所作も可愛らしく、周りの人々をほっとさせていた。
こうして人の命はつながれていくのかもしれない、と看護士として最後の祖母の様子を看取った悦子はある感動をもって子供たちを見ていた。
つづく →☆
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よろしくお願いします。
by akageno-ann | 2010-11-16 08:27 | 小説 | Trackback | Comments(4)
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marimari
at 2010-11-16 10:20
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御祖母様はたくさん素敵な言葉を残して旅立たれたのですね。
姿はなくなってしまってもその方の言葉、お気持ちは生きている人の中で残り続けますものね。
私も祖母の言葉や凛とした立ち振る舞いはとっても尊敬していて、亡き今も素晴らしい女性だったとよく思い出しています。
戦争などいろんな経験をした人生の大先輩の言葉は心に自然と入っていき残ります。
小説の続きが楽しみです。
今日はまたこれから移動でーす!今夜は夕食準備が終わったらゆっくり体を休める時間に致します。
姿はなくなってしまってもその方の言葉、お気持ちは生きている人の中で残り続けますものね。
私も祖母の言葉や凛とした立ち振る舞いはとっても尊敬していて、亡き今も素晴らしい女性だったとよく思い出しています。
戦争などいろんな経験をした人生の大先輩の言葉は心に自然と入っていき残ります。
小説の続きが楽しみです。
今日はまたこれから移動でーす!今夜は夕食準備が終わったらゆっくり体を休める時間に致します。
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ann
at 2010-11-17 07:49
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まりまりさんのブログを拝見していてとてもお祖母さまの素晴らしい影響を感じさせていただいたことがあります。大先輩の思い・・その思いを繋いでいきたい私の思いをコメントに書いていただけて幸せです。
ありがとう!
ありがとう!
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nanako-729 at 2010-11-17 11:20
annさん、おはよう!
「人の人生には、皆平等に幸いも災いも…」
ここを読んで、平等院のことを思い出していました!
長く生きてこられた方にはそれぞれの人生があり、
経験や言葉は学ぶことが多くありますね!
バナナシフォン…成功しますようにヾ(〃^∇^)ノ頑張れ~~♪
いつか一緒に作りましょうね!
「人の人生には、皆平等に幸いも災いも…」
ここを読んで、平等院のことを思い出していました!
長く生きてこられた方にはそれぞれの人生があり、
経験や言葉は学ぶことが多くありますね!
バナナシフォン…成功しますようにヾ(〃^∇^)ノ頑張れ~~♪
いつか一緒に作りましょうね!
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akageno-ann at 2010-11-18 22:54
nanakoちゃん、明日朝になったけど・・用意だけはできたの・・どうなるかなあ????