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かけがえのない日本の片隅から LIVE no.12

小説のプロローグ的な部分が今日のno.12で終わり、いよいよ佳境に入っていきます。
内容は様々な病気を題材にします。
しかしそれは病気と闘うという話ではありません。
病気の人もその看護をする人も同じように進む「生きる」ということを考えていきます。
これからもよろしくお願いします。

小説の最初はこちらから→☆

かけがえのない日本の片隅から LIVE no.12

直子は気に入ったドレスを買ってもらい、母と一緒に楽しいティタイムを過して、幸せいっぱいで帰宅した。

帰りにいろいろな食材を母がデパートの地階の食品売り場で調達するのも楽しくて、
「あれが食べたい、これがいい」などとわがままも言えるその時代を 直子はずっと後になってひどく懐かしく思うことになる。

娘時代はだれにも平等にあるのだが、その期間はまちまちだ。

充実した日々のあとに急にどん底に突き落とされるような思いをするなど、誰も最初は全く思うことはない。
もちろんもっと大変な思いで小さなときから生きている人々も少なくはないが、義務教育の間まで親にしっかりと保護されて過した者が多い中で、直子は高校生に無事なって 幸せな音楽学生生活を続けていた。あまり賛成でなかった周りの者たちも直子の熱心さに打たれ、協力的な気持ちを寄せるようになったのを感じていた。

音楽を続けるのは経済的な豊かさももちろん必要なのだが、一番大切なのは絶大な心の支援者と良き指導者だった。

指導者には恵まれた。偶然のように授かった学校での指導教官の指導は素晴らしいものであることを習っている直子が直に感じることができたのだ。

その人の感性についていきたい、と思えたことはそれからの直子の人生に大きな支えになった。

だが、直子は母親とまるで姉妹のように仲が良かった。
どんな素晴らしい大人に出会っても、母が一番だった。

祖母のことも好きであったが、母のように頼りにはできなかったし、しようとしていなかった。

叔母の悦子は母の次に好きだったが、看護士という仕事がハードなので、最近はあまり会えなかった。

だが、母になにか異変があったときは、もちろん最初に頭に浮かんだのは 叔母悦子だった。

そしてその夜、遅く 風呂に入っていた母牧子の異変に気づいたのは、その娘直子だったのだ。

                    LIVE  プロローグ 12 章 了

   次回よりさらに物語はつづきます。 →→☆
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この子のブログへもどうぞ・・

by akageno-ann | 2010-11-27 21:10 | 小説 | Trackback | Comments(4)

Commented by marimari at 2010-11-29 00:25 x
なるほど、音楽を続けるにあたって一番大切なのは
絶大な心の支援者と良き指導者だったんですね。

直子の人生に大きな支えになるような素敵な指導者との
巡りあい
人との出会い、その時の状況
タイミング、必要としている時に表れてくれた人など
これまでの
ご縁を感じる人との出会いなんかを思いだしながら
拝読いたしました。
続きが楽しみです♪
Commented by nanako-729 at 2010-11-29 13:25
annさん、こんにちは!
音楽を続けていくのにまわりの環境や良き指導者との出会い
そして本人の気持ちとタイミング…すべてがうまくかみ合った時に
大きな才能となってあらわれるのでしょうね!
直子さんのこれからが楽しみです!

病気や生きるという身近なテーマがこれから、からんでくるのですね!
続きが待ち遠しいです~(*⌒∇⌒*)
Commented by ann at 2010-11-30 14:05 x
marimariちゃん、出会いはいつも大きな影響がありますね。大事な出会いを逃さず努力する必要がある・・とこの年になっても感じるこの頃です。
書いているだけでなく、積極的に修行を積みたくなってます・・
Commented by ann at 2010-11-30 14:07 x
nanakoちゃん、何を続けるのもやはりよき指導者や助言者は大事だと思いました。それはいくつになってもね・・そうそう・・タイミングもあるし・・タイミングを外さないというこころがけも必要ですね・・
生きることが少し大変だな・・と思うこの頃に書きたいことを綴ります・・・どうぞよろしく!
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