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LIVE 第二部 no.7 牧子の人生

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かけがえのない日本の片隅から
LIVE 第二部 no.7 牧子の人生

人は時々大きな間違いを犯す、大病をした人をみてまるでそこでその人の人生が終わったかのように判断してしまうことが稀にあるのだ。

悦子は病院に勤めているせいか、そういうことをしばしば目にしたり耳にしたりした。

その度に心で呟くのは、『そんな哀れんではいけない、病気をされてもその方の人生はそのまましっかりと続いているのだから・・』と。

今回の姉牧子の病気はとてつもなく大きな出来事だった。

一瞬にして牧子の人生が終わってしまいそうなほど・・そのことがわかってから悦子は葛藤というよりも心の混乱を来した。

そんなときにふと優しい手を差し延べてくれるのは医局長の笹島だった。

笹島はすでに50歳を越えていて、医師としても優秀であり、医局の中で、誠に人格者であった。

悦子はその笹島を敬愛していた。
笹島は7年ほど前に妻を心臓病で亡くしていた。

そのことを踏まえて更に医師として頑張る姿は スタッフの心を見事に一つにしているようであった。

「片山君、お姉さんは元通りにならなくとも、お姉さんの潜在する能力がまた必ずや開花することがあると思う。それはそれで君のお姉さんの姿なのだからね。」

笹島はそう言って、混乱している悦子の頭の中を整理してくれていた。

苦労している人の気持ちのわかる発言だった。

悦子はその言葉に癒されていた。

姉牧子が目ざめた日にも笹島はその病室を訪れて、姉の様子を看てくれた。

「お姉さんは若いのだから、ダメージが大きかった分時間はかかるが、本人のやる気によってもっともっとよくなっていくからね。これは普通の患者の家族には信じられないことかもしれないが、君はわかるね。」

その笹島の言葉はそのあともずっと悦子を支えることになるのだった。

                                  つづく→→☆[#IMAGE|c0155326_0211134.jpg|201012/21/26/|mid|425|284#]
写真は「まねきねこ」さんより拝借しています・・

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by akageno-ann | 2010-12-21 00:16 | 小説 | Trackback | Comments(5)

Commented at 2010-12-21 01:51 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kinnnikumans at 2010-12-21 09:02
annさん、おはようございます!
小説拝見しました。応援ポチです(^^)/

小夏庵へ伺いますね!
Commented at 2010-12-21 23:08 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by snowdropcafe at 2010-12-23 23:05
お久しぶりです。annさんの文章に触れて、とっても温かな気持ちになりました。お人柄ゆえのことでしょうね。また一緒にPC前でお話できますように…
Commented by akageno-ann at 2010-12-24 00:31
ジャックさん、いつも応援をありがとう
すごく励みになってます!
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