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Live 第二部 no.10

あけましておめでとうございます。
いつもこちらを覗いてくださり本当にありがとうございます。
小説ではありますが、一人の命を見つめて生きる体験を元に書いています。
いましばらくお付き合いいただければ幸いです。

今年もよろしくお願いします。

小説の最初はこちらから→☆

かけがえのない日本の片隅から

Live 第二部 no.10 姑という言葉

牧子の嫁ぎ先の姑は佐藤みち子という。

背筋の伸びたきりりとしたところのある人で、印刷業を経営する佐藤家の裏方を牛耳る女将的存在でもある。

財布の紐はもちろんしっかり握っているが、金離れはよく、気前がいい。
長く人を使う生活を続けているせいで、金によって人を動かすという習慣があった。
一つ間違えれば不遜な雰囲気もかもし出してしまうだろうが、みち子の場合持ち前の明るさがそれを充分カバーし、人々には愛されていた。

牧子もこの姑を慕っていた。

もちろん子育てのことなど、末娘の直子が音楽の道に進んだときから少しずつ考え方にずれが生じてきていたが、それは世の常のように致し方ないことだと 相互に思っていたようだった。

資金的に牧子は充分に与えられていたから、自由に生活をコーディネートできたので心にかかることは殆どなかったと言っていい。

だが、一つだけ長男との心の隔たりだけが彼女の心を暗くしていた。

長男貴一は生まれたときからこの姑みち子に溺愛される的になってしまった。

嫁というのはまだ一人目を生んだ頃には遠慮という壁をしっかりと打ち立ててしまっていたのだ。

その隔たりはそのまま貴一との心の隔たりになってしまっていた。

                                   つづく

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by akageno-ann | 2011-01-01 20:48 | 小説 | Trackback | Comments(2)

Commented by snowdropcafe at 2011-01-03 09:29
annさん、明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。アンさんの紡ぐ言葉の数々、今年も楽しみに拝見させていただきます。
Commented by ann at 2011-01-03 22:10 x
snowdropさん、今年もどうぞよろしくお願いします!
言葉を紡ぐって大好きな言葉です!ありがとう!
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