LIVE 第三部
かけがえのない日本の片隅から
LIVE 第3部に入ります。
「LIVE」は 人間の変わらない愛情と献身を持って介護と看護をしていく家族の物語です。
必ずある人の心の中のほってはおけない人への思い・・
しかしそこに行き着くには紆余曲折がさらに複雑に展開していきます。
小説の最初はこちらから→☆
LIVE 第3部 no.1 貢献
「貢献することを諦めてはならない」と片山悦子は看護学校時代に学校長の訓示から聞き、心に刻んでいた。
貢献するというのは社会に貢献するというような単に決まりごとを言っているのではなかった。
人が人に与える思いやりや親切こそ、本当の貢献であるというものだった。
人生を終えるまで貢献することを自然にやってこれたものは、幸せな死を迎えられる、とも付け加えられた。
おそらくはその校長の人生経験からの訓示であろうと 深く感銘を受けたことをそれから二十年ほど経った頃にも常に自分に問いかけるものになっていた。
大きなことをするのも一つのやり方だが、小さなことを積み重ねることこそ、看護の世界には重要な役割を担うと感じている。
患者一人ひとりとそれは長いスタンスで付き合うことが大事であった。
一朝一夕で改善される病も少なく、病を得たものは心身共にテンションが下がっている。
そんなときに少しでも前を向いて笑顔になれるような日常を思い起こさせてあげなければならない。
その手助けも看護の立場にあるものが担っていくのだ、と考えていた。
悦子の姉牧子の病状は実はあまり大きな変化はなかった。
が、一つ嫁ぎ先の家族が見舞いに来ると 牧子は一生懸命回復に向かいたいと必死でもがく姿があった。
それとは逆に悦子や二人の両親が見舞うと、後ろ向きなことばかりを語っていた。
両親は我が子の姿を悲しみ、少しでも慰めようと優しい言葉を用意し、何かにつけて手を貸そうと考えていた。
だが、悦子は立場上もあるのだが、姉妹である故に、姉の実家の者に対する甘えを感じとっていた。
その甘えがある以上、彼女は本当に良くなろうとしていないのではないか、と思われた。
病人にも貢献するべきことがあるとすれば、それは治ろうとする気持ちを周りの家族に示すことだ、と 長年多くの患者と関わってきた悦子が、今改めて感じ取っていた。
つづく
京都よりとても優しいお味の 甘酒のような綺麗な飴が届きました。
寒さの中に友人の暖かい心が感じられます。
京都伏見の酒蔵より 新酒と酒粕で作られたものです。
感謝しながらいただいています。
ご高覧に感謝いたします。
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by akageno-ann | 2011-01-16 23:24 | 小説 | Trackback | Comments(6)
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at 2011-01-17 21:46
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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at 2011-01-18 17:46
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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ka-chan-anone at 2011-01-18 23:35
わたしの知人にも、高齢の実母を介護していた方が居ました。数年前に亡くなられるまで、実家の近くに住み毎日介護に行かれていました。わたしと同世代で、小さい子どもを抱えながらの介護でした。彼女をとても尊敬しています。
わたしはというと・・・
父親が倒れた時はダメでした。病人に対して「優しい気持ちで接する」ことが出来ると思っていたのに、父親の「今まで見たこともない姿」に失望し、優しい言葉がかけられなくなった時期があります。思い返してもあの時はとてもひどい娘になりました。
このこともいずれブログに綴ります。
第3部楽しみにしています☆
第3部、
わたしはというと・・・
父親が倒れた時はダメでした。病人に対して「優しい気持ちで接する」ことが出来ると思っていたのに、父親の「今まで見たこともない姿」に失望し、優しい言葉がかけられなくなった時期があります。思い返してもあの時はとてもひどい娘になりました。
このこともいずれブログに綴ります。
第3部楽しみにしています☆
第3部、
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nanako-729 at 2011-01-19 19:16
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ann
at 2011-01-20 22:44
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CHILちゃん、忙しいのにコメントもありがとう!
私もいろいろなことを思い返してます・・人生を
振り返っておくのもたまにはいいかも・・と
思うし・・若いときは私もまったくわからなかったことが
なるほど~~~ってわかることがあるように思うの・・
私もいろいろなことを思い返してます・・人生を
振り返っておくのもたまにはいいかも・・と
思うし・・若いときは私もまったくわからなかったことが
なるほど~~~ってわかることがあるように思うの・・
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by
ann
at 2011-01-20 22:47
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