アンのように生きる・・・(老育)

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かけがえのない日本の片隅からの発信をライフワークとして、今は老いていくにも楽しい時間を作り出すことを考えています。

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小説「かけがえのない日本の片隅から」第3部 LIVE 第4章
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「片山君、少し休みをとりなさい。」
そう笹島に悦子は突然厳命された。

「笹島先生、私何か問題を起こしました・・?」
と、一瞬不安になって恐れながら聞いた。

「いや、そうではないよ。しかし君は良くやりすぎた。お姉さんのことがありながら今まで以上に仕事も頑張っているよ。でも、人間にはそのまま突っ走ることはできないよ。
私はそんな時に妻を亡くした。彼女の病気に気を遣ってやれなかったんだ、医師なのに・・」

その言葉を聞いて、悦子は素直になった。

「ありがとうございます。私ここしばらく旅行もしていません。少し旅に出てみます。一週間お休みいただけますか?」

笹島は笑いながら

「それは思い切りがいいなあ・・外国でも行くのかい?」

「行きたいですが、今は思い切りのんびりしたいので、国内にします・・」
悦子は行きたいところがすぐに頭にあった。

『そう、休む必要があった・・人間はリセットしなくては本領を発揮できないですもの・・笹島先生、あなたの心に感謝します。』

心で笹島に語っていた。
笹島と一度だけ夕食を共にしたときにもらった言葉にいつも癒され励まされていた。

「君はご家族にとっても病院にとっても家宝だよ・・自然な愛情深い想いが、看護に現れるんだね。患者の心を動かしたこともあるそうじゃないか・・先日向井君が言ってたよ・・マイルドな心で患者やその家族と接し、会話をするから、自分がギクシャクさせてしまった関係も解(ほど)いてくれると・・実に私もそう思うよ。」

人生の中でこういう言葉に出会うと、それだけで一生を過ごせるものだ。

あれ以来、悦子は姉牧子の不運な病気ですら、運命として受け止められるように思えるのだった。

                                 つづく
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by akageno-ann | 2011-02-22 21:55 | 小説 | Trackback | Comments(0)