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LIVE 第4章 no.2  旅の準備

小説「かけがえのない日本の片隅から」第3部 LIVE 第4章
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LIVE 第4章 no.2  旅の準備

悦子は旅に出ることにした。

ふっきれる・・というのはこういうことなのか・・・
今まで仕事のシフトの合間の休みは長く取る事はなかったので、看護士になって以来、旅行に出ることが殆どなかった。
しかし、笹島の『休みなさい』という突然の示唆によって、悦子は自分の心が擦り切れていることに気づかされた。

姉牧子がリハビリを続けている病院へ行き、少し旅に出ることを牧子に話した。
「えっちゃん、今までありがとう」
そうゆっくりと話して、少し笑顔になった牧子を見て、

「お姉ちゃんもゆっくりして・・少し私はお姉ちゃんに無理強いしすぎていたかもしれないわ。」

と、これまでのリハビリに対して少し厳しく励ましすぎた、と反省していた。

間近にいると、つい夢中になり、気が急くのは近親者であるが、故のことだった。

恐らく姉牧子も悦子と離れることを、ほっとするだろうと思われた。
離れて初めてわかることは意外に多いものだ。

わかってはいてもこういう機会を与えられえよかった・・と今さら思う悦子だった。

病院内では二人特に気になる病状の患者がいて、朝の脈を取りながら、少し弱いその脈うちに不安になり、心の中で 『すぐに帰ってくるから、しっかりして・・』

と願った。

病院内で患者の家族と談笑することも多い。

患者の家族は できる限り患者の病状を知りたいし、病室を出入りする 看護士とは話すきっかけを掴みたがっていた。

悦子は話し方が優しいせいか、患者家族と医師との話し合いに 同席することが多かった。

                                つづく

by akageno-ann | 2011-02-23 23:32 | 小説 | Trackback | Comments(0)

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