LIVE 第4章 no.9 向井からのメール
ニュージーランドクライストチャーチの地震で被災された方々へのお見舞いを申し上げます。
志の高いたくさんの日本の方たちの無念さが感じらます。救援の方たちのお疲れもいかばかり・・と想像し、少しでも早い発見を祈りつついます。
小説を続けさせていただいてます。
かけがえのない日本の片隅から第三部
LIVE 第4章 no.9 向井からのメール
休暇中の悦子に長いメールをよこしたのは 医局仲間の向井医師だった。
向井の求婚に答をださないままにしていた悦子は 少し胸騒ぎを覚えつつ、読んだ。
朝のさわやかな目覚めには少し厳しい内容で、しばしベッドから立ち上げれないでいたが、あつ子に助けを求めたいような心境で朝食のテーブルについた悦子だった。
「おはよう・・よく眠れた?」
明るい声であつ子は声をかけたが、悦子の浮かない顔にすぐに気づいた。
「朝食が終わって時間が取れたらちょっと話を聞いてくれる?」
悦子は ふとそう言葉が口をついて出てしまった・・
「いいわよ・・・ちょっと外を歩いてもいいじゃない・・10時には暇になるから・・」
そうウインクして朝食の準備をしてくれた。
焼きたてのクロワッサンに カフェオレが先ず運ばれてきた。
「昔 フランスに旅行したとき、小さな安いホテルだったけれど、朝はメイドさんがこのセットを
ベッドにまで運んでくれたの・・それが忘れられなくて、こうして出しているのよ。さすがに日本の人々はベッドでは食べたがらないけれど・・」
そのクロワッサンのバターの風味と カフェオレの香りはそのときの悦子をどんなにか癒したことだった。
向井のメールには 自分の気持ちに対する悦子の無反応を追求する想いが綴られていた。
無反応なわけではないのに・・と 思いながら やはり年下の向井の性急さとこの自分のやっと得た休養の日々にこのようなメールで心を乱すことにも 苛立ちを覚えていた。
つづく
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by akageno-ann | 2011-03-03 14:53 | 小説 | Trackback | Comments(0)