一つの終わり
小説を書かせていただいてます。
「かけがえのない日本の片隅から」 第4章 LIVE no.15一つの終わり
向井から少し厭味を含んだメールをこの休暇中にもらった悦子は、心を決めていた。
散々に悩み、友人のあつ子にも相談させてもらっていた。
若い医師との結婚・・・よそ目には羨ましい話だ、とあつ子に言われたが、現実は甘いものではないことを悦子はまるで小姑のような気持ちであつ子に話している自分の中年振りを笑ってしまったほどだ。
「こんな風に、客観的にしか物が見えなくなっている自分が哀しいほど笑えるわ。
どこに恋への情熱を置いてきてしまったのか・・わからないの。
姉が倒れて、婚家先から少し大変なお荷物を背負ってしまった、というような雰囲気を味わうと、やはり結婚のしんどさが今の私には背負えないの。」
そういう悦子にあつ子は
「結婚てういのは、何がなんだかわからないうちにしてしまう方がいいのかもしれないわね。
私は学生時代の流れでここまできてしまったから、今さら後悔もないの。
もちろん辛いときも夫から気持ちが離れることはままあるのよ。
でも、姑への意地があって、中途半端にはさせない・・と思っているの。」
そのあつ子の真っ直ぐな気持ちもわかり、悦子はひとぞれぞれの想いがひしひしと感じられて、少し辛くなってきた。
自分はここでもう恋愛はできない、という結論を出した。
つづく
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小夏庵にも→☆
by akageno-ann | 2011-03-31 23:33 | 小説 | Trackback | Comments(2)
Commented
at 2011-04-01 16:38
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
at 2011-04-03 19:42
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