その人の形見

今日は不思議な日だった。
明日は役員会で新役員を選出する日・・
すんなりきまってほしいなあ・・

そんな不安を持って午前中を過ごしていたら・・私の亡き友人のお嬢さんが
メールをくれた・・久しぶりだったが・・その2日前から私もメールしようか・・と
思っていたので嬉しかった・・
しかも少しメールのやりとりをしているうちに・・今日ちょっとランチしましょう
そちらに行きます・・と言ってくれた・・

だらだら過ごしていた自分のエネルギーがポッと燃えた感じがした・・
明日は我が家でガレットデロワのお茶会もする予定・・

掃除も始めなくては・・・

さっそく予約したのは友人がよくお弁当をとっていた近くのレストラン・・自然を取り入れた家屋で暖かい日は外でもランチができる

さすがに今日は店内にした。

牛肉のたたき定食がおすすめというので・・それにしたが・・私はカツオのたたきをイメージしたから・・出されたもりつけに思わず声をあげた・・


にぎり寿司になっていたのだ・・

先ず煮物に箸を漬けたら・・かぼちゃがほっくりとしてまたいい味付け・・
高野豆腐も久しぶりでとてもおいしかった・・
お嬢さんが「母の好みの煮ものです・・」というように・・ここでお弁当を作ってもらって
ご夫妻で気楽な夕食にしていらしたこともあった。

晩年は食べることを楽しみ・・外食やケータリングを上手に利用していらした・・

とても彼女を感じる日で二人で思いのたけを語り合った・・

そんな我々を気遣って・・店の人たちも奥に入っていらした

だから我々だけが最後できらくにおしゃべり・・

会計をお願いしたら、店の三人が出ていらして・・お嬢さんにお悔やみを

「私たちその時に存じ上げずご葬儀に伺わなかったので・・とても気になっていたのです。
今日はこうして来てくださって本当にありがとうございます。そして偶然使ったこのお寿司のお皿はお母様にいただいたものなんです。御贔屓にして下って・・本当に感謝しています。お花を差し上げてください・・」とお花料を渡された・・

遠慮する彼女に「お母様が喜んでいらっしゃるわ・・いただいたら・・」と促した。
亡き友人もきっとそう言うだろうと強く感じた・・

そしてお嬢さんは大粒の涙を流して・・「ありがとうございます・・こちらを予約してくださって・・そしてお店の皆様にこのようにしていただいて・・母を感じられて・・また伺います」

美しい親子の二人をまた思い出し・・私がかつて都内の病院で筋腫の除去手術をしたとき、退院の日に近くのホテルでおいしい夕食をご馳走して下ったことを思い出した。

粋な計らいがさりげなくできる人だった・・

貴方に出会えてここに住んだことがより素晴らしいことになったのでした・・

と、明日の不安が自然に溶けていった・・

やさしさと凛々しさを兼ね備えていた友人・・常にあなたを感じて暮らしていきます・・合掌