花束を
あっという間に一か月が過ぎてしまった。と、言うより・・・
毎日毎日 曜日を確認するように日を過ごしていた・・という方が正しい気もする・・
35年一緒に住んだ舅がこの夏に逝った・・
その朝は全く私は油断していた・・
暑い夏の朝は早起きなので 4時頃から目が覚めていた
柴犬の小夏が、初めてのように朝遠吠えをした
だが、その前日義父はしっかりしていたので何も感じることなく5時になって朝餉の準備をしていた
夫はこの夏神職の資格をとるべく早朝から渋谷まで出かけて行って一日勉学に勤しんでいた。
5時15分・・家の電話が鳴った
一瞬自分の心臓が止まりそうだったが・・すぐに受話器をとった
「○○病院です。」
「お父さまの呼吸が弱くなられました。」
「すぐ行きます」
朝ぶろに入っていた夫に「先に車で行くから、気を付けてくるように・・」と言い置いて
台所のガスの確認だけして病院に向かった。
5分で到着・・病院は私の為に当直の警備員さんがドアを開けて待っていてくださった
二階に駆け上り・・そこにいた看護士さんに案内されてICUに・・
そこはつい先日肺炎の疑いで入った病室だった。
だいぶ良くなって、普通病棟に移っていたのだが、食欲が出なくて心配されていた矢先だった。
「おとうさん・・おとうさん・・おとうさん…」手や足をさすって呼びかけるが・・父は
もうその時は何も答える様子はない・・ただいつものように眠っているだけ・・・
ほどなく夫が駆けつけて・・
二人で臨終を見守った・・・・・・・・・・・・
こういう日がいつかは来る・・その日は近づいていると・・随分前から覚悟はしていた・・
が・・・実際に訪れたのだ・・
春先から父の寝息はとても弱くなっていたので・・・夜中や朝に見守るときに電気をつけて
顔の傍まで近づいて確認するようになっていたので亡くなったことが信じられないような様子だった・・しかし当直の医師と看護師の方々で最期を告げていただいて・・父は人生を閉じた。
早朝の6時だった・・あと二日で90歳卒寿の誕生日を迎えるはずだった・・・
私がふと思ったのは・・前日に父の義理の姉・・つまり早世した妻の姉が94歳でやはり永眠したとの知らせがあったのだ。その訃報を父にも話していた・・・
仲の良かった伯母さんの死を父にも知らせたことは・・・・それまで持っていた気力が一瞬にして失せさせてしまったのかもしれなかった・・・弔電を打っておいてくれ・・・
今思うとそれが父の最後の私への指示だった
主人と二人で見舞ったその日は「明日またね・・」の我々の言葉に「ありがとう・・」だったと今改めて思い出す・・
まだ実感のない舅のいない生活の中に・・一枚の写真が新たな存在感を示している・・
花束・・喜寿の祝いに書塾の生徒さんからいただいた花束を抱えて微笑む写真だ・・
by akageno-ann | 2014-09-17 01:24 | エッセ- | Trackback | Comments(2)
Commented
at 2014-09-18 18:55
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
at 2014-09-19 08:57
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