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明日も元気に・・・

もう30年が過ぎるのか・・と改めてあの時の医師ロウ先生のことを思い出します。
日本の国立大学医学部の教授をされていた方で 日本語が完璧でした。
日本からシンガポールに戻って 日本人向けの病院の医師としてそこにいらして
私はまことに幸運にも シンガポールに到着した即日の受診で先生にお会いできたのでした。

大使館の医務官の先生からの診断をお話しすると 早速 マンモグラフィーを撮るように
指示されて 別のビルの専門機関に行かされました。
言われるがまま・・日本よりも早いその診察の流れに感動しつつ ただマンモグラフィーを
受診している間に知らない英単語で説明されるとちょっと不安でした。

旅行中ということが優遇されて すぐさまロウ先生の診察を受けると
「どうします?これはほっておくと間違いなく大きくなるし もし良性でも
悪性に変わっていく可能性があるので手術で除去した方がいいと思います。」
「はあ・・・で手術はここでしてくださるのですか?」
「私は日本のA病院の外科部長をしていました、私を信じてくれるならここで
今日火曜日か?次は金曜日が手術日だけど・・」
私は 間髪入れずに
「では今日お願いいたします。滞在は一週間ですので、その間入院はいりませんか?」
「近くのホテルにいらっしゃるのなら、通院で毎日これますね。消毒に通ってください。
それから抜糸はインドで医務官にしてもらってください。連絡はとれますか?」
ということになり、ホテルにいるはずの主人に電話してみたが・・つながらず
インドの日本大使館に連絡させてもらって、承諾を得て、そのまま午後一番に病院で手術となったのです。

不思議と不安はありませんでした。もし病理検査の結果、悪性の場合は日本に帰ることを奨められましたが
それもその時に考えようと思っていました。

手術は部分麻酔で採った腫瘍のピンポン玉のような大きさに驚きながら、綺麗に縫っておくからね・・と
日本人看護士の軽妙なおしゃべりを心地よく聞きながらの手術を受けていました。

最後にロウ先生は 「あなたは度胸があるね、早い方がいいのだけれどよく決断しましたね。」と
褒めてくださいました。

そのときのなんともうれしかったことは一生忘れられない思い出でした。
しかも翌日の午後には 病理検査の結果が出ていて、「大丈夫悪性ではないので半年後日本で検査だけは
受けてください。」と言われました。

その後 インドで抜糸をしていただくときに医務官は「さすがに中国の方だ このように細かい縫い目は
なかなかできない」と感心され・・・30年経って今は一本のうすい線になって残っています。

それからずっと1年ごとに診断を受けていたが、最近はちょっとサボってしまっているのですが。

そんなことをずっと思い出しながら従妹の病状につきあっていました。

医師との出会いと信頼感・・・それが病を治していくのだと・・感じつつ
明日も元気に・・・_c0155326_16230767.jpg
従妹の叔父さんが季節ごとに送ってくださる絵手紙です。


by akageno-ann | 2017-05-27 16:44 | エッセ- | Trackback | Comments(2)

Commented by nanako-729 at 2017-05-27 17:07
こんにちは!
わぁそんなお話があったのですね・・・
その素早い決断に驚きました。
自分の運命を任せられるような信頼できる
お医者様との出会い。
タイミングも何もかもよかったのですね。
今の健康に感謝~( *´艸`)
Commented by fuwari funwari at 2017-06-01 12:30 x
annさん、こんにちは(^-^)
人との繋がりって大六感みたいなものが働きますが、手術のような、それもしこり、そして海外、そんな条件下で即断とはピピピと信頼感が雷のようは稲妻で繋がったんですね♪
でもその即断、わたしは驚きませんよ。
annさんはうだうだと悩む方ではありません。
即断力もそうだけれど、物事をよい方向に考える、切り替え力も相当早いもの(^_-)-☆
もう遅いですが、わたしもそんな頭の回転が速ければ、もっと周りに信頼されていたかもしれません(#^.^#)

今日から6月、早いですね。。
もう紫陽花の季節。
“あしたも元気に”励まされる素敵な絵手紙です♡
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