父の性格
ふたりの父のことを書いていても やはり私の中で父といえば 実父のことである。
先日台風の日の 今日は「無理して来なくていい・・」とわざわざ電話をかけてくるので
その声にくぐもったような暗さがあったから
「電車が動く限りいけますから・・」と答えて 本当は宿泊の日だったからゆっくり行こうと思ったのだが
早めに出かけた。
案の定・・父は寝ていた・・母に聞くと 胸に湿布をして寝ているとのことだが
疲れているのだから・・と声はかけずにそっとしておいたら珍しく二時間もおきないので
様子を見に行くとちょうど目を覚ましたところだった。
なんでも朝起き掛けに自分のふとんに躓いて転んだ拍子に回転・・所謂でんぐり返しをした
感じになったらしい・・
「昔と違って起き上がれなかったのだ」という
父は自分の運動神経の良さを過信したとも語った・・
だが普通だったら片方の手をついて 鎖骨骨折ぐらいしていてもおかしくない話だと感じたが
頭を打ったことがショックだった。
日曜日なので休日診療に行こう・・と提案したが例によって大丈夫だ自分でちゃんとわかる・・と
いうので それ以上は薦めず・・せめて食事をして痛み止めを飲み早く休んでほしいとだけ
頼んだら その通りにしたからちょっと心配だった・・
しかも 夜になって 「二人は不安で寂しいから一緒に住めるといい」なんて突然いうものだから
「私はいつでもこれるし 主人も一緒にというなら家を改築しないとね・・」とやんわり切り抜けた。
妹にすぐに連絡すると 「私もいつでも行けるわよ」と言っておいてほしいとの即答だった。
父の気弱になっている様子がわかるのだが・・それでもこちらの言うことを素直には聞かない人だから
そのことが今の父の生きるエネルギーになっているのだとも わかっている
しかし妹といざとなったらの・・話もし、私も連続三日間付き添った
結局内科 脳神経外科と受けて 多少の打ち身でしょうがもう少し様子を見て改善しなかったら
また、いらっしゃいという親切な診断だった・・
医師も驚くほどの脳のCTの映像のきれいさに まだまだしっかりしているのだ・・と安心した反面
最近の気の短さは 高血圧の症状も災いしているのではないか?と心配はある。
でも「とにかく今日はもういい・・」とひどく偉そうにいうので 私も疲労困憊と家の方も心配で
帰宅した・・台風の後の枯葉の片づけは主人一人で大変だったようだ・・
父のことはよくわかる・・しかしどうも最近ちぐはぐなことがあって つい口出ししてしまう私が
うるさいらしく・・今さら親子の関係でこんなに神経をすり減らすと思わなかった・・と
従妹の施設で話すと 従妹もスタッフの方も 慰めてくれた。
そして「アンテナを張りいろいろな引き出しを作っておくといいですよ・・」という
アドヴァイスは有難かった。
私も 父と自分の似ている性格ゆえのいさかいを隠す気は全くなく、今日も病院で
次が診察の番なので 母と移動しようとすると 「大丈夫だバタバタ動くな・・」と
いうので「だってあの電光掲示板に番号が出たから・・」というと その掲示板に気づいて
いなかったことが腹立たしかったらしく・・怒りだすので「失礼なこと言わないでください」
と言い返した・・そばにいた患者さんは最初父の横暴さに驚いていたが 娘が負けていないので
それにも驚いていた。
台風であると低気圧は人間の頭脳にも影響があり・・私も低気圧だったらしい・・

そういえば今日も実家の帰りに小池都知事の家の前を通り 心の中でご苦労様を言ったが
この年代の女子は男性陣に気を遣いつつ 張り合ったり 裏切られたり それでもなんとか
自分のできることをやって、なんとかいい方向に持って行こうと・・という気構えはあるのに・・
と、考えたりした。先ず凹まないし諦めない性格は持ち合わせているらしい・・
帰りの電車では 篠田節子氏の近著『長女たち』を背筋を凍らせながら読んで、面白いほど
エネルギーをもらったりしている。
こんな日は ユーミンの 「りんごの匂いと風の国」という曲に癒された・・彼女も同い年の天才!
by akageno-ann | 2017-10-24 18:38 | 老育 | Trackback | Comments(0)