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「あん」と皇后陛下

樹木希林さんの最期の主演作という「あん」を今夜は見ることができてとても
幸せだった。見事な最期を遂げた女優は実にご自身のポリシーをしっかりと
最期まで持たれていたし、その映画にご自身の孫娘を起用していることが
何とも感動的だった・・

お二人の一生の思い出になったことでしょう・・

今日10月の20日は美智子皇后陛下84歳のお誕生日でした。
映画「あん」は実は清瀬の全生園のらい病患者の施設に寄せる
想いの詰まった映画だったのです。
美智子皇后陛下もまたらい病患者に対して暖かいお気持ちを持たれて
全生園を訪れられている。

私もまた実父の障がい者教育者としての経験と 幼馴染が同じく障害者教育をめざし
自宅を偶然全生園の近くに建てた時に私をそこに導いてくれた。

インド在住の時もハンセン病を患った物乞いの人々に言い寄られたことは何度もあって
恐がる友人に替わって少しのお金を手渡したことが何度かあった。

らい病は今は殆ど発症することのない病気であり発症しても良い治療薬ができていて
恐ろしい病ではなくなっている。

映画「あん」はその全生園に住む患者がどら焼き屋に就職して美味しいどら焼きを
作り出すという話であった。

障害者の作ったものを食べられないという人もいて それを責める気持ちはないが
ただ大丈夫であることを伝えたい。

美智子皇后はかつて父が奉職していた養護学校を訪問され子供たち その保護者また地域の
人々に優しく啓蒙された・・と父が未だに話すのだが エピソードの一つに
生徒の一人が皇后さまの手袋に噛みつきそうになったとき 一つも怯まれるご様子もなく
「おいしくないわよ」とおっしゃられたことは父はますます美智子皇后のファンになったと
今でも懐かしく話す。

その皇后陛下のご様子と同じように感銘を受けたのは らい病患者を心から愛おしく
想いながら熱演された 樹木希林さんと市原悦子さんにここに敬意を表します。

心満たされる映画鑑賞だった。友人が良かったと教えてくれた「日々是好日」は
映画館に見に行きたいが またしばらくして地上波にて放映されることを
楽しみに待とうと思う。





by akageno-ann | 2018-10-20 23:31 | エッセ- | Trackback | Comments(2)

Commented by fuwari funwari at 2018-10-23 15:29 x
annさん、こんにちは。

今日は空を雲が覆っているせいか、ぐんと寒さを感じます。
少しの肌寒さならへっちゃらで半袖でいるわたしでさえ、小さなマンションの数少ない窓を閉め切ったほど(*^。^*)

『あん』は日本の未熟さを感じさせられた映画でした。
いやannさんがいらしたインドもまた然り。
世界が魔女狩りの世界、女性や弱者にそうであったのかもしれませんね。

主人公徳江の穏やかさは、想像しうる、人としての全ての悲しみを受け入れた者、いや決して受け入れた訳ではないだろう、鎧のように身に纏わなければならなかった過酷な運命を強いられた人だからこそのものなんだろうな・・

樹木希林さんの本来のご気性とは違っているような気がしたけれど、定めを天命と受け入れて生きる二人の間には齟齬はないのかもしれませんね。
心の内はわかりませんが、どちらにしても強固な自負がおありのような気がします。

お父さまの障害者教育のお話はannさんからお聞きした覚えがあります。
お母さまに対してあれほど忍耐強いのは、待つと云う障害者教育で大切な気持ちを持っているからだろう、との事だったと記憶しています。

今日こちらに伺って、達観とか寛容とかといった言葉が浮んできます。
自分の足元も危ない今のわたしには少し遠い言葉ですが、先だっての終焉話ではありませんが、そろそろそんな心境の門をくぐってみたいです。

お父さま、お母さまとの好い時間を過ごして下さいね。
ふふっ、そうだ、旦那さまともね\(^o^)/




Commented by akageno-ann at 2018-10-23 23:08
> fuwari funwariさん
小雨降る寒い神楽坂を歩きながら今日はあなたとnanakoさんと
ご一緒したときのことを思いだしていました。
実家からも近いので時々神楽坂に来てふらっと歩いて
埼玉まで帰るのですが・・一時間で帰れるようになりました
もちろん繋ぎのよい電車に乗れた時ですが・・

今は郊外と少し都心と 神楽坂の様な観光地の東京と・・
いろいろ考えながら過ごしているのですが・・
これも両親の与えてくれた時間だと思ったりしています

そしてインドの暮らしも・・
アンと徳江さんが重なってしまいました・・

あんな風に思い通りに生きたい・・そして逝きたいと
思いました・・
過酷な運命・・想像をできないような過酷さも今身近に感じさせて
もらって 生きて行く強さを身につけたい・・と
思ったところでした・・

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