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偶然という縁(えにし)

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実家は今妹と二人で週2回ほど訪れている。
ここは6軒ほどの袋小路になっている静かな地でご近所が昔から
親しくしているので安心な住宅地になっている。
気まぐれに帰っても何かと気にかけてくださって声をかけてくださったり
こちらも声をかけやすく、この地を選んで若き頃に大変な思いで小さな家を
建てた両親のことを考えることが多くなった。
先日のこと主人と実家に向かっていると曲がり角を曲がったところで
今は駐車場だがかつてそこに住んでおられたお隣のお姉さんがご夫妻で
後ろ向きに立っていらした。
もう四十年お会いしていないのだがその場所とその後ろ姿が間違いなく
Mちゃんであると確信して彼女がこちらを振り返った瞬間に私は迷うこと無く
「Mちゃん アンよ」と気安く声をかけてしまった。
少し驚かれて、ご主人の方は横へ退いたが「まあ よく声をかけてくださった・」
「ごめんなさい・・少しも変わっていなくてすぐわかったの もちろんここに
立っていらしたからでもあるけれど・・」
それから昔話に花が咲きそうになり・・お互いの携帯番号を交換して別れた。
母上は数年前に他界されたとのことだった。

素敵なご家族で我が母とは未だに懐かしくて話していたせいもあるが私の憧れの
お隣のお姉さんだった。
お母様のご自慢の娘さんでもあってその育てられ方に母も私も学ぶものが
あった。
彼女が結婚されてそこを離れてからご両親も海外赴任が続いて結局そこには
戻られなかったが、今もその地を所有されていることが嬉しい
その夜はもう一度彼女からお電話いただいて懐かしい昔の話に良い時間を
過ごした。
それぞれの現状を話すと似ていることもあって親近感が沸いたがもともと
その同じ土壌で育ったことはやはり大きな共通項だった。
すらりとして英語のよくできる素敵な人だった。
朝は早くからNHKの語学放送を聞いて勉強されている父子の姿も
あり、もっと触発されて私も勉強すれば良かった・・と、今さら思う。
反対のお隣は江戸っ子のおばあさんがいらしてよく我々の面倒を見てくださった。
そして家の向かい側はそれこそちゃきちゃきの浅草生まれの元気なおばあさんがいて優しくてよくカレーライスを作ってはご馳走してくださった・・

その二軒には新しく若くて美しい家族が移り住んでくれたのでここは両親が
90歳近くになるまで安心して暮らせたのである。
あとの二軒は私のやはり幼なじみで後輩であるので心やすい。
自分の晩年をどこで過ごすか?は大変重要な問題でその時に隣人の方たちが
受け入れてくださるかどうかも考えていかねばならない。

そのことを我がふるさと高知に対しても考えている。
なんとかその三軒を持ちこたえている今に感謝しながらも
実践的に考えて行動するときがきたとも思っている。
美しいMちゃんとの再会もそのことを深く考えさせてくれるきっかけに
なった。






by akageno-ann | 2019-09-17 05:52 | エッセ- | Trackback | Comments(0)

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