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国道33号線

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高知県の市内から愛媛は松山に通じる国道は33号線と呼ばれます。
私は日本の中でこの道を一番使っています。
この道路の変遷を少しずつ見てきました。
私の父はここで戦後の青年期を過しボコボコの山道をノーパンクの
自転車で30キロの道を通勤していたころもありました。
その時に培った精神力と体力が今90歳になっても気丈にいられる
素になっているようです。
最近はいの町から引地橋の父の家まで車を走らせて一人で帰ることが
多いのですが、途中の地名に車をとめたくて仕方ないのに大抵は
急いでいて・・その地名から湧く想像をします。
この道は坂本竜馬の脱藩の道でもあります。
植物学者牧野富太郎氏の出身地佐川も通ります。
今酒場放浪記で話題の吉田類氏の出身地でもあります。

仁淀川を中流から上流まで沿って走る大変素敵な道ですし父が通っていた
80年前の山道とは違います。快適すぎて申し訳ないような気分にもなります。

近い日にこの道をゆっくり散策するという旅を決行しようと、できたら
ひょうたん桜の咲く三月にと思っています。

ひょうたん桜は桜の花の蕾が瓢箪の様なふくらみを持つのでその名がついた
そうですが、春まだ浅い頃にさく素敵な花がこの国道をさらに素晴らしいもの
にしてくれます。
その道をずっと登って行く途中に引地茶屋というドライブインがあるのですが
ドライブインというよりは峠の茶店です。
昔の風情をしっかりと保ってくれています。
その茶屋の背中には全く自然のままの三段の滝があります。
雨量の多い時は見事な水音をたてています。
うれしいことにその上に私の先祖の墓があるのです。
茶屋の主人が立派に設えてくれました。
父の従弟です。その妻が そして私のはとこの長男が家族で支えてこの道を
往く人々を温かく迎えています。
国道33号線_c0155326_12144883.jpg








by akageno-ann | 2020-02-12 09:31 | エッセ- | Trackback | Comments(0)

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