人気ブログランキング | 話題のタグを見る

深い哀しみ

にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
にほんブログ村
もう二十年も前になるが あの頃は考えてみると一番いい時代だった。
2年ごとに友人と海外旅行もしていたのだ。その旅でとても親しくしてもらった
人が今大分悪いらしい。
今日久しぶりにそのご主人に近所の薬局で会った。
昨年秋ごろは彼女もよくご主人の車の助手席に乗って買い物していたので
今日は一人だったご主人に奥様の消息を伺った・・・

「それが大分悪いんですよ・・」思いがけない返事だった。
入院をされていたのは聞いていたが私も家族のことですっかり
お見舞いも伺わないでいたのだ。
「退院したのですが、もう家庭での療養生活でいらしていただいてもわからないのです。」
とおっしゃる・・・
言葉が継げずにいたが、「ご無沙汰を本当にお許しください。お大事にされてください」
というのが精いっぱいだった。
美しいお嬢さんが二人いらしてそれぞれにお孫さんがいて、変わりばんこにお世話にいらして
いるそうだ。
それは本当に素敵なことだ。ピアニストのお嬢さんにはバイオリニストのお孫さんがいて
彼女がお姑さんを102歳までご自宅でお世話されていた時もよく手伝いにいらしていた。
心強くて羨ましいことね・・と話していたことだった。

その彼女が最近急にご病気で・・まだ70代の半ば・・・
彼女が50代私が40代でフランスと ドイツを二回にわたって旅した。
ドイツのドレスデンではコシファントュッテのオペラを天井桟敷で観覧した。
6人の旅だったので年齢的な差を彼女が気を遣って埋めてくれていて
私のことをとても大事にしてくれた。
彼女のお蔭でいい旅になった・・
ライプチヒでバッハの所縁のセントトーマス教会によるとクリスマス前のパイプオルガンの
練習を聞けたり・・最高だった。
クリスマスの市で暖かいワインを飲んだり・・甦ってくる・・
あの頃の写真をまとめて お届けしようと思う・・
長い闘病生活を自宅で送る選択をされたご家族に新たな敬意を表します。

深い哀しみ_c0155326_22304043.jpg



by akageno-ann | 2020-02-18 14:02 | 老育 | Trackback | Comments(0)

名前
URL
削除用パスワード