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神社の猫は癒やし系

長い時間が過ぎたような気がします
一昨日叔父の告別式で故郷に戻っていました。永い闘病を経て静かに息を引き取られました。
母の一つ違いの弟で物静かな神主でした。
親しい叔父でありながら、母の実家の神社をずっと静かに守ってくださった方なので
私たちは叔父に深い敬意をもっていました。

近年はコロナでお会いできず、その前も短時間しか会えなかったのですが
いつも変わらぬ穏やかな様子で、病院の方でも同じよに過ごされていたようです。
卒寿でした。 傘寿の頃まで国学者折口信夫氏の研究者としても執筆されていました。
私が中学生の頃夏休みに古文の宿題を持って帰ると、書斎で丁寧に覚えなくては
いけない古語の活用法を現代文の文法と比較しながら導いてくださって、以来古文が
好きになりました。その夏の神社の隅の自宅の叔父の書斎でのことを映像のように
思い出します。数年前叔父が入院生活になってから「こいこい」という猫が神社に現れて
まるで神社を見回ってくれるようでいて、また人々を癒やしてくれるようになり
今は叔母がすっかり面倒をみています。皆で大事にしてます。今回も叔父の玄関の
この場所に鎮座ましまして出迎えてくれました。

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考えてみるとものを書くことを億劫がらずに丁寧に研鑽を積む叔父をみていて
私は国文学に進んだのだと今更に思います。従妹弟たちも冷やかしながら私を応援して
くれていました。その叔父に私の拙い小説をあちらに持っていっていただけました。
お許しを得て一冊だけ叔父の足元に置かせていただけました。
その本が真っ白い灰になって、まるで頁をパラパラとめくったような形で残っていたのが
何とも有り難く感動しました。
地域の人々には永く「宮司さん」と親しまれ 私たちもそう呼んで叔父を敬愛し親しみました。
これからも皆を見守っていただけると深く感じています。
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ブログテーマ:猫とのひと時

by akageno-ann | 2021-04-07 13:06 | エッセ- | Trackback | Comments(5)

Commented at 2021-04-09 05:56 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by maple at 2021-04-09 06:08 x
宮司様のご逝去を心からお悔やみ申し上げます。
宮司様のお話は以前より聞かせていただいておりました。格式のある神社を守られ、人徳のあるお方だとお聞きしておりました。それを引き継いでいかれるために、親族の方々が結束して繋いでいかれていることも知っているつもりです。
そんな方々に見守られて逝けることは、生前の徳があってのことと思います。これからも益々伝統が続いていかれることを願っています。
宮司様のご冥福をお祈り申し上げます。
Commented by 植田可乃 at 2021-04-10 14:02 x
本、今日受け取りました。
先生が先生らしく穏やかに召されたのだと、ご不幸なことなのに、なんだか幸せな気持ちに包まれました。高校生の時に教鞭を取っていたときの穏やかな姿や声、思い出しました。
「アンのように生きる」 大切に読ませて頂きます。
Commented by akageno-ann at 2021-04-11 09:05
mapleさん
丁寧なお悔やみありがとうございます。
宮司だった叔父の印象は強くその装束で境内を
忙しく動いていた姿 身長が180以上だったので
とても素敵でした。祝詞の声もよくて忘れられません。
お気持ちに心から感謝します。主人もお手伝いさせて
いただきました。
Commented by akageno-ann at 2021-04-11 09:08
可乃さん
いつも暖かいお心を寄せていただいて従妹共々
心から感謝しています。またこの度は叔父の教え子
としてのお言葉に本当に有り難くて感動します。
私の本は拙いものですが高知を書きたくてインドと
コラボしました。愉しんでいただけたら嬉しいです。
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