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紫陽花のある風景

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菩提寺が近いので墓参りのあと近くを歩くと今は紫陽花のある風景に出逢う。
少し遅かったかもしれないほど美しい花をたくさん咲かせていた。
色合いが楽しめるので紫陽花は実に立派な宿根花だと感心する。
近くを歩けない崖のような処にも見事に咲いてくれる。
紫陽花のある風景_c0155326_10534851.jpg
恥ずかしい話だが ここへ来て知人で私の拙著「アンのように生きるインドにて」を
読んでくださった方々がお電話下さったりお便り下さって感謝しきりの日々。
その中で私の最初のピアノの師が「インドでピアノも弾いたのですね」とおっしゃるので
「いえいえ あれは私の憧れの方をモデルにしています」と慌てて訂正させていただく。
本当に音楽に溢れたインドの三年間だったが、商社や大使館の夫人にも見事なピアニストが
何人かいらして、その方たちのお陰でコーラスで慰問にいったり日本人会で
出演させてもらったりできたのだ。高名な合唱指揮の先生や声楽家もいらして
インドの人々に音楽を提供されたこともあった。
ピアノが弾ける方を私はいつも憧れをもって尊敬するので、同時に
自分ももっと勉強するべきだったと恥じ入る。
そしてもう一つ面白い話題は あの頃ある商社の奥様が有名な歌手でらして
実際はいらっしゃれなかったのだが・・・日本人会で彼女の歌が聴けるかも・・と
盛り上がったことがあった。
紫陽花のある風景_c0155326_10542214.jpg
そんな風に西洋や日本の文化を欲した時期でもあった。小説にしてしまうと
そういうことがどうしても本当のようになり、友人知人の人々は主人公を私と
錯覚されるので申し訳ない。
しかし今後、私はそういう私小説的なこともこの年になったら書かせて
もらいたい、と思うようになった。
コロナ禍で家にいることが多くなりこれまでとは異なる暮らしが始まり
過去を見直して生きて行くようになった。
親族に小説家がいるなど嫌がる場合もあると聞いていて気をつけるように
しているが、もうあと何年元気でいられるか・・など考えると
ふと図々しく清少納言のような気分で日々の暮らしを残しておきたくなった。
紫陽花のある風景_c0155326_10545494.jpg
皆さんに笑って頂きながら、今は義理の叔母が故郷高知を書いておいて・・と言ってくれるので
それに素直にしたがっている。それが一つの生きる支えになっている。
先頃あちらの世界に見送った叔父の遺した作品は静かに受け継がせていただこうと
思っている。感謝を込めて・・・・

by akageno-ann | 2021-06-14 11:13 | 小説