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IPCパーソンズ会長と金継ぎ

アンドリューパーソンズ氏の閉会の辞は素晴らしかったです。
折々に日本語で感謝を込めながらのお話はとても説得力があり、ありきたりでなく
心に残るものでした。その中で日本の伝統工芸の中の「金継ぎ」を例に挙げられました。
壊れた陶磁器をそのままにせず「金継ぎ」という手法によってものを再生し
大切に扱う。その精神こそパラリンピックに生かされるものだ、という言葉に
一瞬感動して感心させられました。
割れたものを漆で修復しその仕上に金など金属粉を塗って美しく仕上げると言う手法は
今回の義足義手など一人一人の選手に合うように工夫して作る作成者たちの技術をも
讃えているように思いました。
今大会で頑張る姿に感動しますが、その一方で従妹は若くして半身不随になり
まだ人生の半分にも満たないので、厳しいリハビリをしてまた新しい人生を歩んだ方が
良いのでは、とそういう施設を見学したりもしました。
しかし従妹は「もう一度同じ脳内出血を起こしたら命がなくなるかもしれないから」
と静かな療養を選んだ日のことを思い出しました。
その選択も大事なことだった・・と今更思うのです。
なかなかあれだけの回復をし、さらに磨きをかけるというのは実に本人と家族が
かなりの覚悟をしなくてはならないのだ・・と彼女は知っていました。
それ故に今思うと私は傍にいながら大したことをしてあげられなかったと
思っています。彼女の友人たちの歯がゆさも感じていましたし、一緒に生きるという
力強さを私は持っていなかったと思います。
ただ彼女にとって良かったのは最後に出会えた施設の若いリハビリの先生方や
スタッフ マッサージの方によって明るく生きてこれたことです。
そのことで家族が皆元気に過ごせているのです。
今回のコロナ禍でのパラリンピックはとても多くのことを学ばせてくれました。
スタッフ、ボランティアの方たちの無償の愛情ある応援と支援。
日本ならではの自然なもてなしの心があったのではないでしょうか。
閉会式の[What a wonderful world]ですか・・・会場の選手たちも
この曲を共有されていて良いフィナーレで感動しました。
パーソンズ会長のこれが「未来へのオープニング」というような言葉も
心に残りました。同時中継のパリの様子はなんだかもうコロナ禍を忘れてしまえる
ような賑わいで少し不安にもなりましたが、東京で2020が行われたことで
次に繋がって行くのだということは確実に感じられました。
壊れてもまた修復しできることを行う、年をとってもできることは行う・・・
そんなことを感じています。
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秋の夜長、古い旅の写真を眺めています。
ドイツ マイセンの作品制作 2000年晩秋

by akageno-ann | 2021-09-06 19:40 | | Trackback