2021年の年の瀬に
何となく気ぜわしく またカレンダーを持って様々な職種の方が挨拶に来て下さいます。
その中で保険会社の方が見えて新しい『認知症になった場合のための保険』というものを
紹介されました。様々に考えさせられました。
ある日偶然私たち夫婦は実家の両親とランチをしようと東京の農協前のレストランに向かっていました。
両親は早めに行っているだろうと思っていますと、レストラン前の農協の前にふたりで佇んでいました。
『困った事になった。』というのがいつもは元気で気丈な父とは違うしょんぼりした声でした。
聞けばATMの暗証番号を間違えてしまったというのです。3回間違えたのでしょう。
とてもショックだったようで窓口の方に事情を話すと『印鑑を持って来て下さい』との
ことでそのいい方がとてもきつかったようです。まあそういうこともあるか?と私もすぐに窓口に
行きましたら、とても厳しい方でした。
自尊心を傷つけられたのか父はとても元気がなく、その日はそのまま帰宅し、翌日銀行勤めだった
妹に来てもらってまた窓口に今度は両親と私たち姉妹と4人で行きました。
聞けば父が印鑑の印影を教えてほしいと頼んだことがその窓口ではできない、とのことで
ちょっとうろ覚えになっていた父の自信がすっかりしぼんでしまったようでした。
私の家の近くの信用金庫では本人にはきちんと印影を知らせてくれますからどういうことなのか?とも
思いましたが、妹がきちんと把握してくれていましたのでその印鑑を持って四人で行きました。
この際父もこちらでの取引を辞めたいというのでその手続きをすることにしました。
先方もちょっとびっくりされて年輩の優しそうな方が出ていらして対処してくださいましたが、
最初の厳しい窓口の方はそのままの雰囲気でした。
『認知症』を疑われたのだとその心配をされるのは当然なのです。
それから数年経ちましたので私も前期高齢者の仲間になりましたからいざと言うときの
備えは必要だと思います。
しかし『認知症』『アルツハイマー』と様々に症状の違う老いの病を心配するにあたり
自分たちの身の回りのことをどう対処していくか考えておくべき時が近づいてきたことを不安と
共にいろいろある選択肢から選ばなくてはならないときが来ていると感じます。
こういう時期になんとなく感じている不安を持ち越しながらの年越しになりそうです。
父は私たちを信頼してくれましたから様々なことを徐々に引き継いでいますが、
どこか寂しい思いもあったと想像します。
それを今日の保険会社のセールスの言葉の中に今度は自分のこととして感じました。
「もし認知症になられたら・・・」そうですよね、いつどのように・・はわかりません。
それは地震が突然来るのと同じようです。
夫と猫を慈しみながら『我々もいよいよ老後の生活に入ったのだね』と認識しています。
世の中はコロナ禍のままで オミクロン株がそれほど重症化しないかも・・という憶測だけで
マスクもとれませんし、医療機関に両親などもお世話になっているので、やはりまだ酒宴などは控えています。
by akageno-ann | 2021-12-17 06:28 | 老育