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春のことふれ 旅への憧れ

私と従妹の旅は二度あった。一度は祖母や母たちを連れて石川県の金沢と羽咋だった。
羽咋には亡き祖父と叔父の國學院での恩師折口信夫さんとご子息春海さんのお墓を
尋ねた。「目をつむる前にどうしても行っておきたい場所がある」と
祖母が語り、従妹が献立てくれた。
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この仁淀川を愛してくださった折口先生のお墓参りは祖母の念願だったので、
思いがけず女子5人での想い出の旅になった。
あれから30年がたち、母がその時の祖母の年を越えた。
仁淀川に一緒に帰ろうと従妹と約束をしてから二度帰ったが、このコロナ禍になって
帰ることは難しくなった。
車椅子でも動けるクルーズをしようと夢に見ていた私たちだが、
コロナ禍になって益々夢は遠のいている。
今回の祭りの手伝いの為の小旅も従妹は私に「気をつけてね、ありがとう」
と、リモート電話で見送ってくれた。
彼女の大好きな実家の神社の祭りなのだ。
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奉納された神社縁の方が手作りされた「春のことふれ」という鶯を抱いた少女の人形を
持ち帰った。しかし今は従妹の傍に置くことは出来ない。
施設の方々のしっかりとした介護の中で従妹も母もお世話になっている。
三年前までは期間限定で人形なども飾っていただいたりしていた。
施設内のしっかりとした防御のお陰で皆さん元気に過ごせているので
いたしかたない。
コロナというものを恨むばかりだ。しかし従妹はとても明るくまた一緒に食事できる日を
楽しみにしている。よく見舞ってくださった友人にも今は会えずにいるがそれも我慢しているらしい。

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なので二人でかつての旅や昨年亡くなった彼女の父のことを思い出してエピソードを
メールでやりとりしてみたりしている。
旅はもう一度ハワイに一緒に行った。
彼女は娘と早朝からイルカを追いかけるクルーズに出かけたりしていた。
私は泳ぎに自信がないので叔母と二人でのんびり町を散策したりした。
あの時のあれこれもよく思い出す。
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先日の高知からの帰りのフライトは最終便で夜間飛行になった。低気圧のせいで揺れたが
北海道は全便欠航の日だった。日本のあちらこちらでいろいろなことがおこるが、
とにかく平和だけは守りたい。神様に祈る気持ちが強くなっている。

by akageno-ann | 2022-02-26 15:56 | 老育 | Trackback