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巴里に死す 芹沢光治良著

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日中は大分暖かくなってきましたね。

自分の活動力が増えたのも気温のせいです。
片付けを再開して、写真や手紙の整理をしています。

そんなことをしていたら友人からの手紙が出て来てしまい、
じっくり読みました。大学時代でのものです。

芹沢光治良著「巴里に死す」の読書感想文でした。

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大学は地域も学部も全く違っていましたが、中学生の時から
よく議論した友人からです。高校は同じでしたので
読後感を語り合っていました。

高校の図書館で借りて夢中で読んだのが
芹沢光治良氏の「人間の運命」と「巴里に死す」。
昭和初期にフランスに留学されていた経験を、
女性の生き方に視点をあてて描かれた小説です。


友人は高校生の頃に読んだ時と違い
この小説は年代を違えて読んでみると
「また新しい感動がある」と
細かな字で3枚にわたって綴ってくれていました。



巴里に死す 芹沢光治良著_c0155326_16285903.jpg

私はこの本を単に巴里への憧れを募らせて読んでいたので、
おそらくは大した返事をしていないはず・・・・・・。

昭和初期に船でフランスに官費で留学した著者本人の体験を
小説では夫の仕事の関係で共に渡仏した妻伸子という女性を中心
に描いています。

伸子は慣れない巴里での生活の中で妊娠し、と同時に
肺結核を患い、スイスのサナトリウムで療養し
女児を産み、短い命を全うする、という結末です。


巴里に死す 芹沢光治良著_c0155326_16293969.jpg


しかしフランスと欧州の音楽に精通している芹沢氏の
作品は私の中に小説の基盤を植え付けてくれていた、と
今更に感じるのです。


巴里に死す 芹沢光治良著_c0155326_16135559.jpg
土佐文旦を従妹が送ってくれて、実を美味しく
食べたあと、皮をピールにしてみました。

手間が掛かりますが、今年はうまくいきました。

昨年亡くなった先輩主婦は実にこのピールを
上手に作る方でした。文旦を見る度に思い出されます。





by akageno-ann | 2023-02-28 19:17 |