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ムラサキシキブ


12時間の小さな旅を
JR八高線の金子駅から
はじめました

朝6時に家を出て
ローカルで無人の駅から
八王子まで出て

そこから横浜線で新横浜に

新横浜から新幹線のぞみで
名古屋は一駅なのですね

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金子駅は単線の八高線の
上下線交換駅です

久しぶりの新幹線は
平日なので比較的ゆったり

しかしビジネスマンは
窓際に座りPCでお仕事
しながらの通勤のようで

お疲れ様です


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ムラサキシキブの花に出会いました
我が家も咲いてはいますが
今日の訪問先のお庭は
まるでターシャチューダーのお庭でした

ムラサキシキブは秋にはこのように
たくさんの実をつけます

ドラマ光る君へを見ながら
平安朝の衣装で
雪の中に降りたり
砂浜を裾を引きずって
歩いたり・・はちょっと
現実離れしていると
思いつつ 愉しんでいます


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今日は我が家のさやか😸のルーツを
辿ってさやか😸の母に会ってきました


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小説を書いています。
 お時間ある方はmoreへ 第四章8話です
    転載はご遠慮ください(_ _)  藤原沙也子

小説の最初のブログはこちらからです→→☆☆☆






 その8


「美沙さん、あまり失礼なことを言ってはだめよ」

そう姑の信子が業者相手に戦うような気持ちでいる美沙の会話に

合いの手を入れるように口を挟んだ。


「そちらだって一生懸命考えてくださっているのよ。

でも貴方はこれまで一心に翔一郎のことを考えてくれてたんだから、

疲れたのだと思うの。まあゆっくりやりましょう。

うちも人手はあるし、在宅介護の方も来て下さるし、大丈夫」

美沙は救われていた。


業者の方もその家族の思いに少しずつ心を動かされていた。

「いや、お話わかりました。 私たちも決して暴利をむさぼろうとして

いるのではないのです。

ただ、ついかっこよく仕上げられたら・・とは考えてしまいます。

ここは一つできるだけ安価でいい物を創るよう頑張りましょう」

そう言って、帰って行った。


「お母さん、ありがとうござます。私少し過激でしたね。

なんだかすごくイライラしてしまって・・」

美沙は恥ずかしそうに信子に言った。


「いいえ、あなたの思っている通りよ。この時代に工務店の方だって

少しでも儲けたいもの。それに不利なのよね・・

こういうことって女には。あなたには本当に感謝しているわ」

そう言って二人は涙ぐみつつ笑った。


家族は不幸な事を通して幸せを掴むこともあるのだ。

信子の合いの手は 「愛の手」になった。


美沙は最近、自分を見失いそうになることがあった。

いつもは前向きに目の前の出来事をひるむことなく、

こなそうとする気持ちで行動するのに、ふと何もかもが面倒で

この場所から逃げ出したい、と思うことがあるようになった。

更年期障害があってもおかしくない年齢である。


今までなんでもなくできたことが、短時間にできないことがある。

予定の時間に追われて、仕事が雑になることもあった。

そんなとき理子が

「お母さん、どうしたの?いつものお母さんじゃないよ」

と、言う。それでまた哀しくなったりするのだった。


考えてみると夫翔一郎の病気発症から八ヶ月ほどが過ぎ、

間もなく自宅に戻るというので緊張した思いで準備をしているのだ。


それはかつて在外教育施設派遣教員として夫がインドに赴任する

直前の二ヶ月間と似ていた。

だが、あのとき美沙は三十代の前半だったのだ。

溌剌として若々しく機敏だった。


そして素直で何もかも吸収したいという思いがたくさんあった。

友人たちは子育てに一生懸命で楽しんでいる時期でもあり、

美沙は我が子を授かる夢見る思いも持ちつつデリーに向かっていた。

そんなことを思い出し、今五十代の半ばになった美沙自身の変化を如実に感じ、

少々狼狽するのだった。その変化はあきらかに老いというものだった。


かつて翔一郎の父が六十少し過ぎたときに他界したとき、

二十代だった美沙にはその年齢は遠いものだった。

しかし自分もあと数年でその年かと思うとそれは不思議な感覚であった。


人がその年齢であることが自分にとっては年寄りという言葉で

簡単に言い表せそうもなかった。

それは年をとることが嫌なのではなく、かつてお年寄りと考えていた年代に

なっても自分はまだまだ頑張っていかねばならない、

というある種の焦りに似たようなものがあった。

しかも夫はこのように障害を持ち、支えていかねばならない。

ふと心の底で 「ひたぶるに、うらがなし・・」と

呟いてしまった。

そんな夜は久しぶりに理子の本棚からアンシリーズの一冊を借りて読むことにした。

なんでもいい・・若やぐ言葉を見つけて、その精神に近づきたかった。


                        つづく

☆☆☆また長くなりました。お付き合いありがとうございます。



by akageno-ann | 2024-06-20 21:33 | エッセ- | Trackback