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降り止みに♪


♪♪夜明けの雨はミルク色 静かな街に
ささやきながら 降りて来る 妖精たちよ♪♪


降りしきる雨が少し弱まった時に
花壇の貯水タンクを見にちょっと散歩
ユーミンの「雨の街を」を
口ずさんで・・・・・。




♪♪誰かやさしくわたしの肩を抱いてくれたら
どこまでも遠いところへ 歩いてゆけそう♪♪
       (雨の街を 詞 荒井由実)


紫陽花もさらに美しく
アナベルがとても大きくなって
目を見張りました


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友人がかつて植えた
「隅田の花火」という名前を
思い出しました




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小説を読んでくださりありがとうございます。
 お時間ある方はmoreへ 第五章2話です
   
    転載はご遠慮ください(_ _)  藤原沙也子








  その2


 平田メイ子は、その日、母よう子からの手紙とメキシコの土産を持って現れた。

片山翔一郎の見舞いを月に二度は必ずしてくれるようになっていたが、

メイ子自身、美沙や娘の理子と過ごす時間を楽しみにしていた。


「今日は母からの便りと南米の土産品を持ってきました。

直接そちらに送らずに私経由にした母の気持ちわかってください。」

そう言って、メイ子の差し出した一通の手紙と色鮮やかな美しい

民芸的な織物のバッグだった。


「お母さんからなの?この様な素敵なバッグ、さすがに趣味がいいわね」


美沙は、インドのデリー時代にお洒落で美しいものが好きだったよう子を

身近に感じ懐かしんだ。

手紙は美沙が一ヶ月ほど前に送った、メイ子がたびたび翔一郎の見舞いに

訪れてくれることへの礼状への返信だった。

平田よう子からの手紙

『美沙さん、大変ご無沙汰しました。

先日はお便りをありがとうございます。

懐かしい貴方の美しい文字に久しぶりに触れて大変嬉しく思いました。

この度のご主人片山翔一郎先生の突然のご病気のお知らせは 

北川先生がくださいました。

主人はしばらく言葉を失って、すぐにもお見舞いに飛んで行きたい

思いで、メイ子に電話して知らせたのです。


美沙さん、大変でしたね。

インド時代の溌剌とした片山先生の姿しか浮かばない私たちは

また元のように学校へ復帰していただきたいと切に願っています。

私たちはここで、インド時代を思い出しつつ生活しています。


あの当時は普通の教員でしたが、管理職で渡ってくるとなかなか

大変な問題もあり、デリー時代の校長先生ご夫妻のご苦労が

改めて偲ばれます。

ただ気候はとても過ごしやすくて治安もいいほうなので、安心です。

メイ子を連れてきたかったのですが、希望の大学に入ったところでしたから、

本人の希望で日本に一人残しました。

あの子が一人暮らしというのを、主人は事のほか心配して心を痛めましたが、

子供というのはちゃんと成長していますね。

一人暮らしにもなれて、今のところ順調のようです。


また美沙さん、そしてお嬢さんの理子ちゃんに出会えて、喜んでいるのですよ。

どうぞよろしくお願いしますね。

片山先生に二年後の帰国のときにお会いするまでにどうか少しでも

回復していただきたいと思っています。


主人は今、どう手紙を書いていいかわからない、というので

また追ってお便りするでしょう。

最後になりましたがお送りいただいたお菓子

(こちらの方が先についてしまってお手紙が大変遅かったので、

あなたのお気持ちを量れなくてお礼が遅くなりました)

日本を思い出しつつお客様をおよびして一緒にいただいてます。

大変美味しいです。ありがとうございました。

こちらの織物は大変美しいものがあり、またここでも買い物を楽しんでいます。

貴方も一度ここへいらしてくださったらいろいろご紹介できるのに、

と願っています。

でも今はどうかお体に気をつけてご主人の看病をなさってくださいね。

どうぞお大事に、お会いできる日を楽しみにしています。

                               平田よう子』

美沙の心の中にデリー時代に共に歩み、時に苦しみ、時に喜び合ったことが

急速に蘇って、感動していた。

新しい立場で在外にいることで心が大きく成長しているよう子がそこにいた。

長い間、デリーから持ち帰ってしまった、互いの心の軋轢はここで、

残念だが夫翔一郎の病のせいで解けているようにも思えた。

そして嬉しいことに娘理子がよう子の娘メイ子に心を許している。

時の流れというのはこういうものなのかもしれない。


             今日もありがとうございます     つづきます



by akageno-ann | 2024-06-24 05:23 | エッセ- | Trackback