人気ブログランキング | 話題のタグを見る

小さな村の物語



小さな村の物語_c0155326_19184615.jpg

「小さな村の物語 イタリア」を BS日テレで時々見ます

今夜はトスカーナ地方のオルチャ渓谷という世界遺産にも
選ばれている 小さな村 カンピリア ドルチャ

82才のフランチェスコさんは10代からバイクの整備士
そして現在も最初に乗ったモンディアルのバイクを含め
25台を 整備しながら今は余生を愉しむという素敵な人生
すべてモンディアル製のバイクを所有されています

夫婦で見入ってしまいました。



小さな村の物語_c0155326_19185801.jpg


夫婦で歩むタンデムツーリング
そして今素敵に年をとって
ご主人がこの渓谷をソロツーリングを
無理なく続くけている

「いいなああ」と

二人でつぶやきました

録画するんだった

思わず映像の写真だけ撮らせてもらいました


小さな村の物語_c0155326_19185085.jpg

穏やかな老夫婦の朝食風景に
癒やされる思いがしました

傍らでさやか😸はマッサージを所望

そういえば木曜日の夜半TBSで
「ラーメン 赤猫」という
猫のアニメを見ました
猫って本当に毛すきとマッサージが
好きなのだと改めて納得




小さな村の物語_c0155326_19185410.jpg
にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
小説を書いています
第六章に入りました
 お時間ありましたらお立ち寄りください

    小説の最初はこちらからです→☆☆☆






 第六章 その1


 翔一郎の自宅での第一夜はおよそ八ヶ月ぶりに自身の寝室で

休むことから始まった。

昼ご飯は母信子が手作りの五目寿司を用意し、茶碗蒸しも熱すぎず、

よく出来上がっていた。ゆっくりと食べる翔一郎は

「おいしい!」を何度も言い、これまでにない感謝の言葉を述べていた。

難しい話はしない、帰宅した喜びを素直に述べる翔一郎がそこにいた。


母信子は、そのことをとても喜んだ。

その日はとにかく、ついこの間まで、あのような重病人だった

一人息子が戻ってきた喜びに浸っていた。


「よくもどってきたわね。ゆっくりやって行きましょう」

そう信子は言って美沙や理子に笑顔を向けた。

笑顔、このときほど人の笑顔に救われたことはない、と美沙は思った。

理子はとてもはしゃいで賑やかな昼食をとった。

そして初めてトイレにも行った。

片手片足でもなんとか立てるように補助棒が取り付けられていた。

ここのトイレは洗面所と一緒になっていたのが幸いして

比較的広々していた為に車椅子が十分に入れて、そこで椅子の回転もできた。

美沙の腰や腕には力がかかったが、美沙もあまり気張らずに

なんとか無事に夫と二人だけのその作業を終えることができた。


子供を育てるときのような喜びとは違うが、

夫翔一郎がここへ戻ってきた喜びはあった。

「ゆっくりとやっていこう」

近所の扶川さんの暖かい励ましにも守られているような気持ちがした。


扶川さんは一人息子を亡くして二十年を同じ場所で過ごしていた。

家の近くでバイク事故で重傷を負ったその息子の介護をする覚悟で

必死の看病をしたが、残念なことに一ヶ月の闘病の末亡くなってしまった。


半狂乱になりそうな扶川夫人を支えてきたのは信子だった。

同じ一人息子の翔一郎がいた信子への羨望の気持ちが、

当時はぬぐえなかったではずの扶川夫人だったが、

信子の献身はその心をゆり動かし、ゆっくりと素直な諦めの境地に

たどり着き、そこからまた新たな仕事に燃える力を呼び込んだのだ。


信子はそのとき放った言葉を自分に取り込んでいた。

「扶川さん、誰のためでない、自分の為に生きなくてはいけない」

それはその時は少し驕った思いが手伝っていたかもしれないが、

扶川夫人の心には少しずつ届いていた。


そして、今信子は自分にその言葉を呟いていた。


                  つづきます




by akageno-ann | 2024-07-06 21:13 | エッセ- | Trackback