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昨日の空


昨日の空をご覧になったブログを拝見しました

私も何匹もの龍が躍動していて

思わず写真にしました。



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秋の空でした。

いろいろな想いで見上げました

墓参の帰りでしたので
一つ祈ったのは
ドジャース勝利です。

ダルビッシュ投手のパドレスも
頑張っているので気が引けますが
試合の放送を長く楽しみたくて

今年は大谷選手の毎日の
インタビューが素敵で

ずっと最後まで行ってほしいと
祈りました。




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庭の白い彼岸花がやっと芽を出しました



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先日皇帝ダリアと勘違いしたのは
思いのほか背が高くなったダリアでした。

一本育った皇帝ダリアも
空に向かってまだまだ伸びています。



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小説「仁淀川に帰す」は
第二章その3です。

お時間ありましたらmoreへ
またよろしくお願いします。






その3

 孝之は母の都遊子と終戦後も満州に残りそこで人生を終える、

という覚悟をした時期があった。

そうしているうちに母は体調を崩し、それまでの無理が祟ったのか

気弱になっていった。

そして急に望郷の思いが強く、父伸之はその思いに報いたく必死で

日本への引き揚げを決意したのだった。

帰郷後まもなくその都遊子は亡くなったが、孝之は師範学校に入学し

次男の満夫は村の小学校に転入して楽しい日々を送るようになった。


やむを得ずではあったが親戚からの紹介で伸之は

由岐というかなり年下の後妻を迎えた。

由岐は活発で親族にもすぐに慣れ、家庭を明るく築いてくれようとしていた。


小学校教諭を辞めることなく、家のことをなんでもできた祖母丑世が

元気だったのも幸いして家事をすべて丑世に任せていた。

そのお陰で嫁と姑の問題も特になかった。


丑世という人がそういう大きな心を持ち人々とうまく接していたせいでもあった。

 亡き母のお陰でこのふるさとに戻れたことで早く新しい教育を

受けることができたのだ、と後年孝之と満夫は互いに満州での

後半の暮しを思い返しては感謝するのであった。


敗戦国になっていてもやはり本土にいるということは

良い刺激をうけることができた。

新聞も戦時中とうって変わって新しい時代に相応しい

生き方を示唆するような記事があった。

人間は強く逞しいとこうして新天地で明るさを取り戻せたと思えた。

師範学校の男子寮は冬は寒くて、そんな時はもっと寒い冬のはずの

満州では家中にオンドルのような暖房が引かれたいたことを

懐かしく思い出したりした。

想い出には哀しい出来事は次第に薄らいでいくような気がしていた。


                      つづく


by akageno-ann | 2024-10-12 17:38 | エッセ- | Trackback