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これからの10年


人生の目標を高校生時代に70才まで想像して
計画を立てたという ドジャーズの大谷翔平選手

先日テレ朝のタモリステーションで
特番があり、画面を写真に撮らせてもらいました。

これからの10年_c0155326_13422036.jpg


一つ一つ見ていると、とてもよく考えられていて
大きな目標をたてながら地道に努力されていることを
感じさせるこの7年間のメジャーリーグでの日々

ちょうど70才のところは隠れてしまいましたが


「毎日スポーツをして元気に過ごす」と
ありました。70才はこれまでの暮しを
しっかり年金暮らしにかえて、66~69才は
世界旅行とありました。

その素朴さに感動してしまうのです

80才までの私の10年は自分で考えます110.png


これからの10年_c0155326_18283604.jpg

母の遺品の中の編みかけの
セーター、とてもふっくらと
編めていたのですが
その続きができなくて

さやか😸のハンモックにしたら
お気に入りになったみたい


小説「仁淀川に帰す」は
第三章その7 「望郷」です

お時間ありましたらmoreへ
よろしくお願いします。











その7 望郷


 亜実は祖母かねに会いたくなり、江古田の浅間神社の前を通ると

「おばあちゃんに会いたい」と言うようになった。


上京してから2年まだふるさと高知に帰省したことはない。


小さくとも持ち家を建てたのだから住宅公庫からの借金返済もあり

孝之はしのぶの母から借りた金も律儀に少しずつ返したくて、

仕事もアルバイトの家庭教師も熱心に行っていた。



家が建って三ヶ月後にかねの方が待ちかねて上京してきた。

孫の亜実がどんな風に過ごしているかとにかく会いたかった。


東京駅のホームに寝台列車瀬戸号が入線するのをワクワクしながら

母子で待った。平日の午前中の到着なのでしのぶは初めて

東京駅に亜実と二人だけで迎えに行った。

母かねを迎えるのであるから嬉しさで怖さはなかった。

無事に早めに東京駅に着いていた。


思ったより元気に両手に大きな荷物を提げて列車から

降りてきたかねに駆け寄り荷物を受け取り、

喜びでいっぱいの表情でかねを迎えた。


亜実も「おばあちゃん」を連呼しながら

しっかり小さな手で握ってきた。


幸せというのがこういうものなのだ、と

かねもしのぶも後から思い返したことがある。


そこから池袋まで地下鉄で移動した。

赤い電車が亜実は大好きで覚えたばかりの

「ちかてつ」を祖母かねに教えていた。


この地下鉄どうやら亜実が生まれた年に開通したらしい。


かつて神奈川の川崎に新婚から十数年を過ごしたかねも

上野や東京は知っていても池袋を初めてであった。


あまりの賑やかさに圧倒されていた。

かねは細々と貯めた自分の小遣いを持って来ていたので

翌日に早速また三人で池袋のデパートに買い物に出た。



デパートの煌びやかさは幼い亜実にも大きな刺激を与えて

孫に甘い祖母かねに可愛い着せ替え人形を買ってもらった。


その人形に「チャコ」という名をつけていつも抱いて過ごす

幼い亜実だった。


日曜日には練馬に開園した豊島園という遊園地があり、

そこで着物姿のかねは亜実と一緒に広場をかけっこする姿があった。


孝之はこうして強引に東京に出て来た自分を振り返り、

神に感謝したい思いだった。


                        つづく


by akageno-ann | 2024-11-15 18:33 | エッセ- | Trackback