年末のご挨拶

今年のクリスマスは久しぶりに
友人たちを招くことにしました。



その9 土佐のもてなし
建夫が宮司をしている椙本神社に立ち寄られた折口信夫氏は
戦時中にもかかわらず苦労して海山の幸で持てなされた翌日
「うみのさちおほかりし夜に
やまさちのきのこたきあへたのしばいかに」
(海の幸多かりし夜に 山幸の茸炊き和え 楽しば如何に)
と、短冊に杉の木を小さく描き「神主殿へ」と
添え書きして帰途につかれた。
このことは後の宮司瑞井も学生時代で記憶にあり、
後世に文章で遺していた。
氏は健啖家で土地のものに詳しく 旅の前の便りにもそれとなく
ユーモラスに鰹や鮎や いの町の伝統工芸の和紙など
手にいれたい、と書かれてあった。
建夫は氏のそういう願いを心から叶えて持てなしたいと
妻のかねと準備していたのであった。
訪問者を愉しませたい、という心情は
土佐の人々の心意気でもあり
よく大客の宴があって、それを聞きつけた人が
あとから押し寄せてくると
「よばんのに 来てくれた、さあさあ中へ入って」と
家の主人は喜んで招き入れ皿鉢料理の取り皿と盃を
用意してすぐに仲間に入れるのであった。
皿鉢(さわち)料理の大皿での盛り合わせは
人数を限定する必要のない土佐独特の
振る舞い方なのであった。
by akageno-ann | 2024-12-21 17:15 | エッセ- | Trackback


