冬枯れに
庭先のスミレも息を吹き返してくれています。
テレビ局内の事件ばかりで あちらこちらに
地震や火事が起っていることも忘れてはならない、
と人々と話しています。
年輩の方も不安なのかメールをくださり
日本は四季がなくなってしまうのかしら
など日本の行く末を案じている姿に
共感します。
なんとなく不穏・・・・・。
しかし春は確実に近づいている
そんな風に前向きに気持ちを繋ぎます。
その5
しのぶと亜実は女同士の結束が強く 家長孝之の
機嫌を2人ではかるようなところがあった。
長男正之が成長するにあたり 亜実は姉として正之のよい
後見人のような存在でもあった。
亜実は8才年上と言うこともあって幼い弟を
大切に面倒見る立場になっていった。
そんな様子を近所の人々も「しっかりしたお姉ちゃん」
というように亜実を評していた。
小学校六年生の亜実はある日朗読の練習をしていた。
放送部にいたせいで朗読が好きで国語の教科書を読んで練習していた。
「くずの花 踏みしだかれて色あたらし この山道を行きし人あり」
歌人折口信夫氏の作歌であった。
その人折口「信夫」を 「しのぶ」と読む名前で
母にその名をくださった方だと亜実はそのとき初めて聞いた。
母は初めてそれが自分の心の支えであったことを
娘に語ったように思えた。
折口氏は昭和28年の9月に亡くなり、亜実は翌年に
生まれていたので
しのぶはこれも何かの縁だと感じていたのだ。
静かな性格の母しのぶの芯の強さはその名に
秘められているような気がしていた。
つづく
by akageno-ann | 2025-01-22 17:42 | エッセ- | Trackback





