人気ブログランキング | 話題のタグを見る

春だより


春だより_c0155326_08400479.jpg


友人から送られてきた
フィレンツェの今です!!

ついに行けなかったフィレンツェです

リアルタイムの写真が嬉しいです





春だより_c0155326_08422376.jpg

このあたりの今日の桜です


春だより_c0155326_08420365.jpg




姫リュウキンカが今年は

とても元気です


小説「仁淀川に帰す」
第六章 その9です







 その9


 亜実の赴任校の文部省社会科研究推進校の発表というの

は区内の小学校では大々的なものであった


「何もしらない、」というのはある意味楽なことでとにかく

目の前の仕事はきっちりやっておけば先輩方の評価はよく、

またついでに頼まれる仕事が増えてきた


夏休みは実に忙しくて5年生は林間合宿と ついでに

6年生の臨海合宿まで付き合わされた。

「新卒のうちになんでも知っておく方がいい」などと

先輩方の忠告は後で思えば実にご都合主義の意見だった。


ただこの新卒の亜実にある秘めたる勝ち気さが災いして

「はい!」と殆ど素直に受けていた。


そのことを老練の教師たちは喜び 若い先輩同僚たちには

あまり評判はよくなかった


しかし亜実は仕事が面白くて、しんどさはあってもやればなにか

得るものがあるのでどんどん進んでしまっていた


そんな中で少しだけ息抜きできたのは茶道の師のお宅に

お邪魔する土曜日だった


父の尊敬する大学教授の奥様が石州流という

武士に好まれたという茶道教室を小さく開いていて

そこの末席に置いていただけたのだ


若い頃はなんでも吸収が早くて流れるような

所作を学ぶことが嬉しかった


数人の弟子たちを個人指導してくださる方で

ご本人は既に古稀を迎えられていたが

50才から始めたという花柳流の舞踊の名取りにまで

なられた美しい女性だった


息抜きというは失礼な話だが 学校という空気とは全く違う

自分を弧として静かに見つめることのできる時間であった。


和服の着付けも教えていただいた。

れともうひとつ 大学4年生で出会った一人の男性との

静かな恋を心に秘めていた


彼ははじめテレビ局に入っていたので生活時間も違って

なかなか会うことはできなかったが



なんとなく互いを恋人の対象としていたようだった。


                    つづく


by akageno-ann | 2025-03-22 09:17 | Trackback