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カズオ イシグロ氏 (追記 小説アップしました)



カズオイシグロ氏を知ったのは映画「日のなごり」を
知った時からです。
このほど「遠い山なみの光」が上映されることになり
久しぶりに映画館に行ってみようか・・・と
考えています
早朝のNHKで良い刺激をもらいました。





1954年生まれの同い年

長崎で生まれ5才でイギリスに
家族で移住、そのままイギリス国籍を
とられています。

同じ頃高知に生まれて3才で東京に
移り住んだ私としては
少し親近感を覚えます

今回の作品は氏が25才の時に
上梓した作品の映画化です

母上の戦争体験の話から
記録に遺そうと小説にされたようで

深い感銘を受けました


カズオ イシグロ氏  (追記 小説アップしました)_c0155326_04565589.jpg



昨日は穏やかな空が早朝にありました

暑くなる前に花壇に行きました



カズオ イシグロ氏  (追記 小説アップしました)_c0155326_04563074.jpg


暑くなると😸のさやかは
涼しい場所をみつけるのが上手

サンルームは日除けをして
庭のように自由にさせてます



カズオ イシグロ氏  (追記 小説アップしました)_c0155326_04570150.jpg
小説「仁淀川に帰す」
その10です

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 その10

 正之はアメリカに短期留学して半年が過ぎ 英語の方への

情熱はかなりはっきりとしたものとなった。

鳥飼玖美子さんの留学の本をバイブルのようにして

ラジオ講座やテレビでの語学番組を欠かさず見ていた。

その熱心さが亜実には眩しかった

亜実は「ある日のヨーロッパ」というショートの旅番組を

友として就寝前のひとときを過ごす毎日だった

教師としてまだ二年 大学時代に友人はパリに留学した者もいる

単なる憧れで終わった自分に比べて弟正之は実に熱心で

ある意味羨望の眼差しで見守っていた。

亜実はこれから正之が海外に本格的に留学したら自分は

物見遊山で遊びに行こう、などと考えていた。


同じ家族として過ごしていても学習する能力は

異なるのだと思い知った。

友人のMは実は大学時代に仏文科に進んで 

3年でパリに留学 そして今フランス人の恋人を

連れて帰国している。


高校生の時から親しかったので彼女の母親が悲痛な声で

亜実に電話してきて次の休日に来てほしいというのだった。

なんどかエアメールで彼女と文通していたからいずれは

国際結婚か、とも想像していたが革新的と思っていた

彼女の母の狼狽え方に少々心が沈んだ。


早速土曜日の午後連絡して懐かしいMの家に出向いた。

あの冷静と思われた彼女の母がMとその恋人の

フランス人を前に日本語で愚痴るのに驚かされた。


                 つづく


by akageno-ann | 2025-06-13 05:03 | エッセ- | Trackback