チェンバーオーケストラ&ハイボールフェス

その11
亜実の友人Mは物静かな雰囲気で高校時代から
随分男子生徒に憧れられたが本人は意に介せず当時から
フランスに大きな興味を持っていた。
大学生になったときにフランス人に嫁いだ女性から
誘われたから、と「仏人のご主人に仏語を学ぼう」と亜実も
誘われて1ヶ月に二度ほど阿佐ヶ谷まで通ったことがあった。
ご主人は年輩の方であったがあまり日本語を話せないのがかえって
よくて皆でフランスについて、随分と自作のテキストで
楽しく学ばせてもらった。
亜実は自宅に招いて日本料理を母と一緒に用意して喜ばせたこともあった。
Mはその頃から密かにフランス留学を志していて、
仏語の上達ぶりは素晴らしかった。
亜実はK氏との別れを経験して人それぞれの恋愛について
深く知ることになった。
Mがやがてパリ大学に留学して かなりの苦労しながらも
テニスを通じて知り合ったJ氏と恋愛していることは
手紙で知っていた。
留学もすんなり両親が許していたから仏人との恋愛について
母上が今更拒否する様子が驚きであったが、自分が
その間に入ることはせずに、友人としてMとその恋人Jに対して
できうる限り親切にしたかった。
Jは客観的にみて優しいそして日本を愛そうとする
青年だったのだ。
こんなとき別れた年上のK氏に相談に乗ってほしいとは思った。
そう思った時、亜実は一番寂しさを感じていた。
つづく
by akageno-ann | 2025-06-16 05:29 | エッセ- | Trackback



