半夏生とミニひまわり
終章
その1
K氏との淡い恋愛が終わったあとの友人Mの国際結婚問題は
亜実の将来についてもいよいよ考えて行かねばならない
時期にさしかかってきていた
高知の祖母が休みを使って帰郷するように言ってきたので
物心ついて初めての正月の帰省をしてみた
幼い頃に一度暮れに家族と帰って、大歓待で餅つきをみせてもらったり
祖父たちの賑やかな酒宴の記憶は少しあったが、一人で正月に
旅に出ることさえ亜実にははじめてだった。
高知空港に着くと 従弟が迎えに来てくれていた
その到着ロビーには若い母親が幼い子どもを連れて帰省したらしく
若い祖父母とおもわれる人々に目を細めて出迎えてもらっていた
「故郷に錦を飾る」というのは女子にとってはこうして子どもを
連れて帰ることなのだ、と思いしらされた。
従弟の章君は東京で仕事をしているからたまに食事をしたりして親しかった
正月休みはやはり実家に戻るよういわれて先に帰省し亜実を迎えてくれたのだ
「いつもお世話になります、ありがとう」
「いやいや今日は家のことを手伝わされるより亜実ちゃんの
出迎えの方がいいよ」
と、言ってくれて相変わらず感じの良い青年だった。
「亜実ちゃん 今回は多分見合いさせられるから覚悟しちょきよ」
高知に帰ると土佐弁でしゃべる従弟の章が頼もしく感じられた。
少し太平洋の方をまわってそして仁淀川に案内しながらドライブしよう、と
気を遣ってくれる彼に感謝していた。
つづく
by akageno-ann | 2025-07-06 18:29 | エッセ- | Trackback




